2011 Fiscal Year Annual Research Report
高性能有限要素解析による免制震ディバイス最適化のための数値実験システム
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23360248
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大崎 純 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40176855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 大吾郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00262121)
宮村 倫司 日本大学, 工学部, 講師 (30282594)
松本 慎也 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30325154)
張 景耀 名古屋市立大学, 芸術工学部, 准教授 (50546736)
山下 拓三 独立行政法人防災科学技術研究所, 研究員 (40597605)
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Keywords | 有限要素解析 / 最適化 / 免制震ディバイス / 弾塑性応答 |
Research Abstract |
詳細有限要素解析を用いて免制震ディバイスの形状を最適化する,本年度は,解析手法と最適化手法において以下の成果を達成し,来年度以降の方針を決定した。 1.ソリッド要素に基づく汎用有限要素解析ソラトウェアであるADVENTUREClusterを用いて,さまざまなパターンの繰返し載荷をうける単純な部材モデルの弾塑性応答を評価し,既往の実験結果と比較して精度を確認した。 2.鋼材料に用いられている区分線形複合硬化則のパラメータ(降伏応力,硬化係数,等方硬化と移動硬化の割合など)を同定するための最適化手法を開発した。この最適化問題は極めて非線形性が強いため,ランダム性を有する発見的アルゴリズムやデータマイニング手法の利用が有効であることを示した。 3.極低降伏卓鋼を用いた鋼板制振ダンパーに静的繰り返し載荷を与えて解析し,既往の実験結果と比較することにより,ディバイスに要求される性能を確認した。また,スチフナーの位置と厚さを最適化することにより,変形の集中を抑制してエネルギー吸収能力が向上することを示した。さらに,免制震ディバイスを有する鋼構造骨組の性能を次年度以降に評価するためのモデルを検討した。 4.次年度以降で免制震ディバイスの最適化を行うため,大域的ランダム選択と局所的発見的手法(ランダム探索,タブー探索など)を組合せて,解の近似精度を確率統計的手法によって予測するための手法を開発した。また,その手法により,少ない解析回数で近似精度の保証された最適化解が得られることを,簡単な数学的最適化問題と構造最適化問題で検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有限要素解析ソフトウェアの精度確認,鋼材料の繰返し載荷のための構成則の開発,解析回数の少ない最適化手法の開発の3つの目標を概ね達成することができた。したがって,来年度以降,免制震ディバイスの最適化を支障なく実行することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度に最適化の対象とするモデルを現在検討中であり,来年度初めに決定する。また,有限要素解析と設計変更を繰り返し実行するため,解析,最適化,モデル作成を連結するインターフェイスプログラムを開発する。さらに,制振ディバイスを設置して性能を確認するための骨組モデルを作成する。これらの成果を用いて,再来年度に物理実験で性能検証を行うディバイスのモデルを決定する。
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Research Products
(13 results)