2011 Fiscal Year Annual Research Report
数値地形情報を用いた実在地域音響数値解析技術の研究開発
Project/Area Number |
23360255
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大嶋 拓也 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40332647)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 雅 東京大学, 工学系研究科, 助教 (10312977)
星 和磨 日本大学短期大学部, 短期大学部・建設学科, 助手 (50373171)
大久保 寛 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (90336446)
平栗 靖浩 九州大学, 人間・環境学研究院, 学術協力研究員 (90457416)
安田 洋介 神奈川大学, 工学部, 准教授 (90456187)
|
Keywords | 建築環境・設備 / 音響数値解析 / 屋外音響解析 / 数値地形情報 / 実在市街地 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地理情報システム(GIS)テ〓ータ、航空レーザースキャンデータなどの実在地域の数値地形情報を用いて、音響数値シミュレーションへの入力情報を生成する技術を開発および実証することである。このうち、本年度は最大の課題である建物を含む市街地形状およびメッシュの生成に取り組んだ。具体的成果としては以下である。 1.数値地形情報から、解析領域境界面となるポリゴンデータ生成を行った。市街地においては、建物輪郭線情報を含んだ2次元数値地図データに、表層高さ点群データを組み合わせてポリゴン形状データを生成する技術を開発した。本研究課題開始前に自主的研究として概念実証を行った際には自然地形の起伏再現が不可能であり、かつ階段近似形状の建物壁面生成のみが可能であったのに対し、直交格子に沿わない斜め方向の壁面や、地面の起伏を再現しつつ、建物の取り合いも適切に処理された境界適合形状の生成が可能となった。形状生成においては、差分法等波動音響数値解析手法向けのほか、音線法向けにポリゴン数を削減した形状生成も可能である。さらに、従来技術では難しかった、建物密集地における建物間路地の高さ再現にも成功した。また丘陵地等の自然地形に対しては、標高点群データのみからポリゴンデータを生成することが可能となった。三角格子網の生成においては、オープンソースの各種メッシュ生成ソフトウエアの比較の結果、Gmshを使用している。 2.1.によって生成したポリゴンデータから、構造格子の空間分割メッシュを生成する技術を開発し、当該メッシュを用いた解析が可能であることを示した。これによって、本研究開発成果の時間領域有限差分法、CIP法などの構造格子を用いた音響数値シミュレーション手法への適用が可能となった。市街地レベルの音響シミュレーションは大規模解析となることから、本格子生成を分散メモリ型並列計算によって高速に行う技術を開発した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主要な課題であった、1)2次元数値地形情報からの地面の起伏及び建物形状を適切に再現したポリゴンデータ生成、および2)当該データからの時間領域有限差分法用構造格子生成および音響数値解析実施、が可能となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度研究によって数値地形情報からの音響数値シミュレーションへの境界形状入力が可能となった。このことから次のステップとしては、境界の吸音率、音響インピーダンス等の音響的性質の推定が重要課題として挙げられる。例えば、地表面のリモートセンシング画像データを導入し、2次元地図情報および3次元標高データと組合わせながら、推定技術の研究を行う。また、本手法によって生成された形状を用いた音響数値解析結果の妥当性検証も、課題として挙げられる。大規模解析のためのスーパーコンピューティングクラスタへの解析プログラムコード移植、データ可視化など解析結果データの後処理手法についても、随時検討して行く。
|