2011 Fiscal Year Annual Research Report
紫外域分光放射のモデル化とUV-A,UV-Bを含む時別・分別気象データの開発
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23360259
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
二宮 秀與 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(工学系), 教授 (90189340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 裕 鹿児島工業高等専門学校, 校長 (20094112)
井川 憲男 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 特任教授 (80398411)
永村 一雄 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (60138972)
野澤 宏大 鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科理系, 准教授 (60398914)
松本 真一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (70209633)
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Keywords | 紫外線分光 / 紫外線A / 紫外線B / 計器感度 / 経年変化 |
Research Abstract |
23年度は紫外域分光放射計およびUV-A計,UV-B計の信頼性の検証を主に実施した。東北大震災の影響で計器の購入が遅れたため、紫外域分光放射計の測定と精度の検証を優先し、測定地点を1ヶ所(大阪市大)にまとめて同時測定をおこなった。これにより、4大学で紫外線の測定に用いるUV-A,B計の感度特性を整理した。UV-Aについては4つの計器が比較的一致したが、UV-Bについては初期段階で1割程度の出力差が見られた。同時測定は今後も定期的に実施し、観測データの補正に用いる。またこれまでに使用してきたUV-A,B計でも同時に観測し、計器の経年劣化について考察した。その結果、UV-Aで十数パーセント、UV-Bに関しては40%以上の出力差が見られた。UV-Bに関しては、センサーの経年劣化が大きいことは良く知られているが、劣化がどのように進行したか不明なため、これまでに蓄積したデータの利用は困難であると判断した。この研究グループではこれまでにUV-AとUV-Bを全天日射量から推定するモデルを提案してきたが、これについても過去の観測値のどの時点のデータを用いるかによって推定精度が大きく変化することが確認された。全天日射量の観測精度は比較的安定していることから、UV-ABの観測精度の問題がモデルの推定誤算として顕在化したものと考えられる。23年度の研究によりUV-A,B計はセンサーの劣化が激しく、機器の更正や観測値の補正が重要な課題であることが明らかになった。この点については放射理論に基づいて紫外線観測値の信頼性を検証する方法や、他の気象要素との関係性からセンサーの劣化について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災の影響で予算配分が遅れ、各大学での紫外線観測の開始が遅れた。しかし観測開始前に4台のUV-AB計を大阪市立大学で同時測定し、計器感度を比較できたので、今後、計器の経年変化や劣化を検討する際の貴重なデータが得られた。当初の計画よりは若干遅れているが、紫外線観測をスタートしたので、研究上の支障は無い。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度の研究で、UV-A,B計の計器感度の個体差やサンサーの経年変化が非常に大きいことが明らかになった。このため、観測データの蓄積とともに精度の検証が重要な課題となっている。当初の研究計画から大きな変更はないが、観測データのクオリティチェックを優先課題として検討項目に追加する予定である。
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Research Products
(4 results)