2013 Fiscal Year Annual Research Report
地域生活記憶集積メカニズムの解明とアーカイブ施設の社会実験及びその運営手法の構築
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23360263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大月 敏雄 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80282953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正美 京都文教大学, 総合社会学部, 教授 (00298746)
篠原 聡子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20307987)
服部 岑生 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (40009527)
西川 祐子 京都文教大学, 人間学研究所, 研究員 (50183538)
岩本 通弥 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60192506)
鈴木 雅之 千葉大学, キャンパス整備企画室, 准教授 (90334169)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 記憶 / 生活空間 / 社会実験 / 団地 / ハウジング / 中間集団 / 建築計画 / まちづくり |
Research Abstract |
今年度も昨年度に引き続き、国内外における地域生活空間における記憶集積に関する事例調査を行った。具体的には、海外では台湾、ミャンマー、イギリス、ドイツにおける調査を行ったが、イギリスとドイツでは関連文献並びにDVDの翻訳を行った。またイギリスでは、近代初期のハウジングの黎明期における建物保存やそのアーカイブ施設に関する実態調査を行うことができた。 国内では、引き続き、赤羽台団地における社会実験として、大学院生主体の組織である「赤羽台プラス」を中心に、生活記憶を契機としたコミュニティ形成のための定期的実験イベントを開催した。この一連の社会実験の初期には、URから貸借した空家となった店舗を具体のアーカイブ施設として実験的運用を行ったが、今年度から団地建て替え事業に伴って同施設が解体となったため、地元自治会やURの協力のもと、常設展ではない形での社会実験の展開を行いつつある。ここで分かったのは、常設の空間がなくとも、生活記憶の集積過程としての中間集団を巻き込んだイベントによって、複数の関心事を持つ社会層が出会う場を創造できる可能性があるという発見である。 また、高蔵寺ニュータウンにおいて発行されてきたタウン誌の記録保存とその分析も、進みつつあり、また一方で、赤羽台団地を中心に行ってきた、社会実験のノウハウを、次年度に千葉の海浜のニュータウンや横浜の洋光台団地などに適用する可能性も出てきた。 こうした一連の社会実験的活動の中間とりまとめとして、今年度は11月に京都において、公開研究会「地域生活記憶集積メカニズムの解明と社会実験及びその運営手法の構築」を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外のアーカイブ施設に関する研究はほぼ予定通り順調に進んでおり、また、赤羽台団地における社会実験も、固定した常設展示における実験段階を終え、定期的仮説的な展示やイベントにおける実験段階に入った。また、その成果を生かした形で、次年度以降千葉や横浜でも、社会実験を実施できる見込みが立った。 また一方で、一連の研究成果を、世に問う形で公開研究会を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、国内外のアーカイブ施設に関する調査を進め、事例を蓄積するとともに、重要と思われる施設に関してはさらに深い調査を行いたい。 また、赤羽台団地で展開してきた社基実験を、他の団地にも適用できるめどが立ったので、アーカイブ施設の運営方策に関する、より複眼的な知見が集積されることが期待できる。
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