2012 Fiscal Year Annual Research Report
領域型ミュージアムにおける人間・空間・資源の総合システムデザイン
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23360264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 文夫 東京大学, 総合研究博物館, 特任准教授 (20447353)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ミュージアム / 人間連携 / 空間連携 / 資源共有 / システムデザイン |
Research Abstract |
本研究では、都市を「領域型ミュージアム」として活用するためのシステムデザインの構築を目指し、携帯端末で使えるアプリの開発運用を進めている。平成23年度は領域型ミュージアムの「構成要素」を明らかにするためにシステム基盤の基本計画を予定していた。しかし、GoogleMapsのAPIの導入やiPhoneのOS変更といった事態が発生し、システム基盤の計画が平成24年の9月まで繰り越された。平成24年度は領域型ミュージアムの「連携手法」を中心に研究を行い、情報共有を可能にするアプリシステムの設計および開発を行った。アプリ用の管理サーバの構築によりユーザ間のデータ共有が可能になった。すなわち、都市においてユーザが興味深いと思った場所をpositionとして登録し、positionを集積したspaceをサーバにアップすれば、それを他のユーザがダウンロードして情報共有することが可能になった。 領域型ミュージアムの「連携手法」は、人間連携システム、空間連携システム、資源共有システムという3つの視点から検討された。人間連携システムでは、領域型ミュージアムの情報作者をユーザネームによって識別し、その嗜好性に応じたユーザグループの形成や個人間連携の可能性を検討した。空間連携システムでは、分散型の施設群/場所群を一つのspaceとして登録してネットワーク型ミュージアムの構築実験を行った。資源共有システムでは、ミュージアムのモノと情報の共有をはかるためにpositionの属性として資源情報を組み込めるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
領域型ミュージアムのシステム基盤の計画、アプリシステムの設計と開発までを順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては、23・24年度の研究成果のまとめとして、領域型ミュージアムの総合的なシステムデザインの研究を行う。人間連携・空間連携・資源共有の総合化を行い、領域内に分散する構成要素を結合して多様なミュージアムが形成できることを確認する。アプリシステムを公開し、実都市におけるシステム実証実験を行い、その記録を蓄積する。 人間連携システムでは、コミュニケーション(領域情報交換)の総合設定を行う。ユーザ間の相互連携によって空間情報をベースとした人的ネットワークサービスの形成を目指す。空間連携システムでは、ナビゲーション(領域空間移動)の総合設定を行う。positionの集積としてのspace(場所群)、spaceの集積としてのcity(都市領域)を包括的に扱い、アプリケーションの設定によって自在な空間移動ができるようにする。資源共有システムでは、リソース(領域博物資源)の総合設定を行う。個人コンテンツの集積としてのアーカイブ、アーカイブの集積としての包括的なリソースを形成し、ユーザに公開する。 システム基盤整備においては、情報共有基盤の運用を行う。システムの公開に向けて、アプリの登録手続きを完了する。アプリは原則として無料公開する。実証実験においては、ミュージアムの人間・空間・資源の総合的な情報共有運用を実行する。アプリの公開を受けてユーザ参加型のシステム稼働実験を行う。国内都市および海外都市において実験参加を呼びかけてその模様を記録し、ユーザ連携、ミュージアム形成、リソース共有の状況について分析を行う。
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Research Products
(2 results)