2012 Fiscal Year Annual Research Report
農山漁村における居住と地域の持続性に関する地域計画的研究
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23360268
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山崎 寿一 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20191265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 秀文 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60314506)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 持続性 / 居住 / 農山漁村 / 定住 / コミュニティ |
Research Abstract |
本年度は、以下の集落・地区を対象に居住と地域の持続性に関する調査・研究を実施した。 1)能登半島地震被災地、道下集落:被災集落での住宅再建を、被災前、避難から仮設的生活、本設住宅建設までの過程と現在の住まい方を現地調査により明らかにし、敷地利用に着目して震災前後の生活継続の実態を明らかにした。2012年10月韓国で開催された9th International Symposium on Architectural Interchanges in Asiaにおいて発表した。 2)三重県志摩市大王町波切集落:東日本大震災の被災地復興における高地移転と関連して、海との関係によって形成されてきた漁村集落が、災害や漁港整備、インフラ整備、社会背景の変化によってどのように変容したかについて分析し、海・集落・内陸の関係から(1)集落の空間構成、(2)居住地変容のメカニズム、(3)生業・生活・信仰の場の位置関係、(4)波切特有の共同空間「丘端」の利用実態を明らかにした。成果を日本建築学会住宅系研究報告集に発表した。 3)阪神淡路大震災被災地、淡路島旧津名町志筑地区:阪神・淡路大震災後の復興事業によって復興した地区を対象にして,向三軒両隣・隣保・自治会(町内会)のコミュニティの段階的構成に着目し、農漁村特有の地域社会に根付いたコミュニティの特質と変容を明らかにした。成果を日本建築学会住宅系研究報告集に発表した。 4)尼崎市富松地区:尼崎市の旧集落富松地区の富松神社の富松一寸祭りを調査し、地域環境を活かした地域づくりの展開を明らかにした(農村計画学会秋季大会に発表)。同じく富松一寸祭りの調査から地域の持続性に着目した地域づくりの中でのコミュニティ形成の特徴を明らかにした(日本建築学会住宅系研究報告集に発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、能登半島地震被災集落道下、阪神淡路大震災被災地域淡路市旧津名町志筑、東日本大震災被災地域における高地移転に対するモデル性をもつ三重県志摩半島波切集落、都市内の旧集落部である尼崎市富松地区を対象に調査・研究を行い、その成果を査読付き論文5編、研究発表3編として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
神戸大学大学院自然科学研究科総合研究棟3号館に研究室があり、研究を進める基礎的な設備は整備されている。また研究課題に関連するこれまでの現地調査資料、統計・専門書等の資料の蓄積を活用して研究を進める。 本研究は2名で行うが、各調査フィールドでの調査蓄積があり、調査協力者・専門的知識の提供者がいる。これら協力者は研究代表者のこれまでのフィールド研究における現地協力者であり、協力して研究を進めて行く。また、研究室学生の調査補助、調査研究資料整理により効果的に調査研究を行う。
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Research Products
(8 results)