2011 Fiscal Year Annual Research Report
公共施設マネジメントの事例調査に基づく実践方法の研究
Project/Area Number |
23360271
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小松 幸夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10133092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 洋樹 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (00329088)
李 祥準 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (80546250)
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Keywords | 公共施設 / 老朽化 / 維持保全 / マネジメント / 財政 / ベンチマーク |
Research Abstract |
日本の地方自治体は高度経済成長期に膨大な公共施設を保有することとなった。それらは今いわゆる老朽化の時期を迎えているが、地方自治体はこれに対応する準備ができていない。さらに経済成長率の鈍化や少子高齢化の影響で地方財政は今後さらに厳しくなる可能性が高い。これらを踏まえて、本研究では地方自治体が施設マネジメントを効率よく行うための手法を提案することをその目的とし、平成23年度は以下のほうな研究を行った。 (1)自治体の財政・施設管理及び劣化状況を簡単に把握できる手法の提案 本研究項目では先行研究の「公開情報を用いた自治体の財政及び施設管理現況把握調査」を基に、自治体の財政状況・保有施設の劣化状況・自治体の施設維持管理状況を評価し、その結果を可視化する手法を提案した。 (2)自治体の施設マネジメント関連業務プロセス及び組織構造の把握 本研究項目では先行研究の「地方自治体の施設マネジメント関連業務プロセス及び組織構造に関する調査」を基に、協力を得た地方団体の追加調査を行い、営繕部門、管財部門、財政部門、所管部門の業務内容把握、施設関連業務プロセス、業務遂行面での部署間関係などを明らかにした。 (3)自治体の様々な施設マネジメント取組みに関する事例収集 本研究項目では、全国の地方自治体の中で先進的に施設マネジメントを進めている自治体を対象として、各自治体が置かれている状況や課題を調査し、その結果を他自治体がベンチマークとして利用できるように整理した。 (4)GISシミュレーションによる公共施設の適正再配置の検討 本研究項目では公共施設の縮減を前提として適正配置をシミュレーションするための準備として、まず協力を得た団体から保有するすべての施設に関する情報(位置、名称、構造、階数、竣工年、利用状況など)を収集し、GISシステムに入力できるように整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成23年度の実施計画のうち、いくつかの項目については成果を論文として発表している。それ以外については、平成25年度までの研究過程で基礎となる資料の収集や整理を進めつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度にすでに論文として成果を発表した研究に関しては、今後も継続的に収集データの蓄積や検証を行う。平成24年度と平成25年度の研究実施計画については、研究メンバーの所属変更等があるため、一部再整理を行う必要があるが、外部専門家の協力体制を維持しつつ内容をまとめて行くことには変わりない。
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