2013 Fiscal Year Annual Research Report
電子構造とフォノン分散を考慮した熱電材料設計指針の構築と高性能熱電材料の創製
Project/Area Number |
23360278
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 恒博 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 招へい教員 (00293655)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 熱電材料 / 電子構造 / 電気伝導度 / ゼーベック係数 / 電子熱伝導度 / 格子熱伝導度 / フォノン分散 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
本研究は,微視的物性制御機構を電子構造やフォノン分散から考察しつつ,熱電物性の制御指針を確立するとともに,環境に優しく高性能な熱電材料を創製することを目的とした. スペクトル伝導度の実現可能モデルを用いて,線形応答理論から熱電物性を計算することで,①500meV以上のギャップを有する縮退半導体であること,②化学ポテンシャルの観点からフェルミエネルギーから100meV程度の領域に大きな状態密度の変化を呈すること,および,③スペクトル伝導度のバンド端からのエネルギー依存性ができるだけ顕著であることが,高性能熱電材料の必要条件であることを明らかにした.さらに,第一原理計算を駆使することで,Al,Si, および3d遷移金属を主成分とする金属間化合物群が,熱電材料としてふさわしい電子構造を有していることを明らかにした.本研究では,このうち,安価で環境に優しいAl-Mn-Si系C54相およびAl-Mn-Si系C40相を主な研究対象として選択することにした, Al-Mn-Si系C54相およびAl-Mn-Si系C40相を作製し,それらの熱電物性を測定したところ,電子構造計算から予想される通り,よい電子物性を示すことを明らかにした,一方,上記の金属間化合物は結晶構造が比較的簡単であるために,結晶構造に関係したフォノン分散の特徴により,比較的大きな格子熱伝導度を示していた.この格子熱伝導度を低減する為に,クラスター計算により選定した重元素による部分置換と超格子薄膜の作製を試みた.残念ながら,後者は明示するべき結果を得ることができなかったが,前者において,電子物性に影響を与えずに格子熱伝導度を著しく低減することに成功した. 結果として得られた材料は,性能では既存材料の40%程度であったが,性能/価格において既存材料の約10倍を示すことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(37 results)