2011 Fiscal Year Annual Research Report
著しく格子軟化した形状記憶合金における巨大弾性変形-応力下における臨界現象
Project/Area Number |
23360280
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 隆 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50228912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛下 知行 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90127209)
寺井 智之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (20346183)
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Keywords | 弾性変形 / 弾性異方性 / マルテンサイト変態 / 格子軟化 / 弾性熱量効果 |
Research Abstract |
規則度が約0.75のFe3Pt単結晶に,[001]方向から圧縮応力を加えると,温度低下にともない弾性歪が増加し,変態温度付近の90 Kでは最大約6%もの弾性的変形が現れることを見出した.この弾性限界を超えると,bctマルテンサイトへと応力誘起相変態し,それにともない約15%もの変態擬弾性が出現することを明らかにした.これらの結果は,日本金属学会において口頭発表するとともに,国際会議icomat2011において招待講演として発表した.また,ICFSMA2012においても招待講演として講演した.さらに,同内容は金属Vol.82 (2012)487に解説記事として報告した.また,Fe3Ptにおいて,規則度が高くなると,従来とは異なる構造のマルテンサイト相が出現することを見出し,その結果を金属学会において発表するとともに,Journal of Alloys and Compounds Vol. 509 (2011)8530に報告した. 不規則Fe-31.2Pd合金単結晶についても,[001]方向から圧縮応力を加えると,温度低下にともない弾性変形量が増加し,変態温度付近の240Kでは最大約6%もの弾性的変形が現れることを見出した.これらの結果は,日本金属学会において報告した.また,Pd濃度の少し少ないFe-30.8Pd合金においても同様の巨大弾性変形が現れることも見出し,さらに同合金において,変態歪の応力依存性を調査し,応力の増加とともに変態歪が小さくなることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた,弾性変形挙動の解明は予定通りに進展しており,学会における成果発表ならびに論文発表も順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
結晶方位を変化させての弾性変形挙動の調査,応力下での中性子回折による格子歪の調査,ならびに応力下において期待される臨界点の存在を確認する.
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Research Products
(10 results)