2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360285
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 雄二 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40399598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 忍 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (10242900)
本多 沢雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (50301221)
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Keywords | 分離膜 / 水素 / 二酸化炭素 / 化学親和性 / 無機・有機ハイブリッド |
Research Abstract |
下記(1)~(2)のサブテーマ研究を系統的に実施して、新規なセラミックス製ガス分離膜の創製研究を実施した。 (1)H_2、CO_2親和性を付与した新規セラミックス分離膜の合成開発 ポリマープレカーサー法やゾルゲル法などの液相プロセスを駆使した分離膜の合成研究を進めた。これらのケミカルプロセスによる分離膜の合成条件の最適化を図り、目的とするガス分離特性の向上に寄与する前駆体の創製を目指した。その結果、酸化物多元素系アモルファスセラミックスが、ユニークな水素親和特性を有することを見出した。また、この材料を用いた分離膜の製膜にも成功して特異な水素の高温透過挙動を観察することができた。一方、CO2分離を目的とした分離膜材料開発研究では、CO2の選択透過機能発現に有効な有機・無機ハイブリッド膜材料を見出した。 (2)ガス透過抵抗の低減化を目的とした高気効率中間層/基材の合成開発 今年度は異方性の高い板状アルミナを出発原料に利用して、多孔質構造制御を検討した。板状アルミナの結合相として、アモルファスシリカなどを選択して、これらの前駆体溶液を利用した材料合成を実施した。その結果、板状アルミナによる多孔質構造形成に有効なプロセス条件を見出した。 (3)分離膜・基材のガス透過特性と機械的特性評価 今年度は異方性の高い板状アルミナを出発原料に利用して、多孔質構造制御を検討した。板状アルミナの結合相として、アモルファスシリカなどを選択して、これらの前駆体溶液を利用した材料合成を実施した。その結果、板状アルミナによる多孔質構造形成に有効なプロセス条件を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H_2やCO_2に対する化学親和性有するセラミック系分離膜材料を新たに見出すことができた。また、多孔質基材の合成開発においても、当初の計画に従って材料合成の基礎的知見を得ており、本研究はおおむね順調に研究進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続きH_2、やCO_2に対する化学親和性を有する新たなセラミック系分離膜材料の合成開発と、このような膜の製膜に適した基材の多孔質構造制御研究を継続する。今年度は、一連のH_2やCO_2に対して化学親和性を有する材料系について、分離膜としての機能発現に有効なレベルに向けた化学親和性の向上に重点を置く。また、一部の材料系を対象に、別途開発を進めている多孔質基材への製膜検討を進めて分離膜としての部材開発研究を加速させる。
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