2011 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子ドットアモルファスにおけるミニバンド形成と超高効率光電変換素子への展開
Project/Area Number |
23360287
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小俣 孝久 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80267640)
|
Keywords | ナノ材料 / 量子ドット / 高効率太陽光発電材料・素子 / 先端機能デバイス |
Research Abstract |
(1)InAs,GaAsおよびコア/シェル型InAs/GaAsコロイダルQDの合成、PbseコロイダルQDの合成 室温・大気雰囲気での取り扱いが簡便で、安全性の高いInAsおよびGaAsコロイダルQDを合成可能な、ホットソープ法プロセスを探索した。各種のAs原料を調査した結果、トリフェニルアルシン(mp:600q,bp:360℃,LC_<50>:As_2O_3の1/100~1/200)が、その候補として見出された。溶媒、界面活性剤にはオクタデセン、オレイルアミンを、In原料にはInBr_3を用い温度330℃での反応により、InAsコロイダルQDを合成することができた。In原料や界面活性剤を最適化していないにも拘らず、コロイダルQDが得られたことは、今後の高品質QD合成に期待を与える。反応時間によるサイズ制御などが今後の技術的課題である。InAs、GaAsコロイダルQDと並行して検討を進めるPbSeコロイダルQDを合成した。PbOとTOP-Seとの反応で、直径3~10nmのコロイダルQDが合成できた。 (2)コロイダルQDの形状、サイズ、光学特性の評価と調整 CdSeコロイダルQDを用いて、サイズとその分布制御手法を検討した。内径200μmのガラスキャピラリーを用いた流通系反応器で、平均粒径3.7nm、分布2.8~4.2nm、変動係数10%のコロイダルQDを得られた。これを分級し平均粒径3.5nm、分布3.0~4.0nm、変動係数6.1%へと改善できた。サイズ分布が狭い、すなわち、量子準位の分布が小さいQDの作製指針が妥当であることが確認できたので、今後、InAs、PbSeなどのQDへ適用し、QDアモルファス薄膜でのミニバンド形成へと展開する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
InAsおよびGaAsコロイダルQDの合成において、As原料の選定、および合成プロセスからの排気中のヒ素化合物の除去プロセスの構築に時間を要したことにより、遅れが生じた。しかしながら、QDのサイズとその分布の制御技術の確立についてはCdSeコロイダルQDを、InAsコロイダルQDの光学特性評価の技術的な確立はPbSeコロイダルQDで代替して研究を推進したことで、全体としては軽微な遅れにとどめられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
CdSeおよびPbSeコロイダルQDで代替して検討してきた項目については、InAsを用いた検討に移行し、同時にGaAsコロイダルQDの合成を急ぎ当初の計画に早急に戻す。赤外線領域での分光測定評価については連携研究者との打合せを密にする。
|
Research Products
(13 results)