2013 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子ドットアモルファスにおけるミニバンド形成と超高効率光電変換素子への展開
Project/Area Number |
23360287
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小俣 孝久 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80267640)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 量子ドット / 高効率太陽光発電材料・素子 / 先端機能デバイス |
Research Abstract |
(1)InAsコロイダルQDの合成:InAs QDの合成方法を検討し、以下の方法でサイズ分布が良好な球形QDの合成に成功した。臭化インジウムのオレイルアミン溶液とトリフェニルアルシンのオクタデセン溶液を混合し、トリオクチルホスフィンを界面活性剤とし、320℃で反応する。この状態で40分保持すると溶液が赤褐色に変色しInAsが生成し始める。着色開始からの反応時間の調節により、平均サイズ3.9~6.5nmのInAs QDを合成できる。この方法で光学ギャップは0.9~1.2eVの範囲で調整できる。コロイダルQD溶液で観測された発光はストークスシフトが大きく欠陥準位を介した発光であったが、反応条件の詳細な調整により、励起子の再結合による発光に期待がもてる。 (2)コア/シェル型PbSe/CdSe QDの合成とミニバンド形成:PbSeの表面原子のイオン交換により、コア/シェル型PbSe/CdSe QDを合成した。これを用いコロイド溶液を濃縮したところ、QD表面間の距離が約20nm程度から蛍光ピークが長波長側へシフトを開始した。このピークシフトはQDの近接により生じる小さなQDから大きなQDへのエネルギー移動によるシフトよりも十分に大きく、量子準位によるミニバンド形成によるものと結論された。CdSeやPbSではこのような現象は観測されず、PbSeの電子・正孔の波動関数が広がっているという特徴を実験的に観測できた。 従来、コロイダルInAs QDの合成には、危険性の高いトリストリフェニルアルシンが原料として用いられてきたが、その危険性のためInAs QDの合成を実施する研究グループは少なく、量子ドット太陽電池の研究に提供されることは稀であった。本研究により、トリフェニルアルシンを用いた安全なInAs QDの合成が実現できたことから、量子ドット太陽電池の研究に大いに寄与することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)