2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケールその場観察によるFe基化合物の新規な超弾性挙動の解明
Project/Area Number |
23360308
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 弘行 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60294021)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 構造・機能材料 / 形状記憶合金 / 超弾性 / 電子顕微鏡 / 中性子回折 |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度に主な研究対象としたFe3Gaを除き、Fe3AlならびにFe3(Al,Ga)化合物に絞って調査を行った。具体的には、本研究課題で購入したSEM内小型引張試験機を用い、変形中の方位変化をEBSD法でその場観察することで、超弾性挙動の解明を行った。Fe3Al化合物ではD03構造特有の転位の可逆運動に由来した超弾性のみが発現し、その挙動は結晶方位に強く依存する。そこで、これまで実施例のない方位での実験データを追加した。例えば、<001>近傍の荷重軸方位でも超弾性の発現が確認されたが、完全な形状回復は生じなかった。このとき、{112}<111>すべりの活動が確認され、荷重軸が{112}すべり面と<111>すべり方向を結ぶ晶帯上を可逆的に変化する様子が確認された。このような特徴から、Fe3Alでは、転位の可逆運動に由来する超弾性が発現していることが改めて確認された。一方、Fe3Al とFe3Gaの擬二元系であるFe3(Al,Ga)では、転位運動に由来する超弾性に加え、変形双晶の形成・消滅を基調とした超弾性の発現も確認された。特に、D03相に十分規則化したx≧0.6のFe3(Al1-x,Gax)では、低温側にて2.2Tタイプ擬双晶の形成消滅に由来する超弾性の発現が確認された。さらに形状回復率は、温度の低下とともに、全変形量に対する双晶の寄与が増加することで増加した。さらに、擬双晶形成に必要な応力は、xの増加ととともに減少した。その原因について、低xではD03相中に規則ドメイン構造が存在し、変形双晶の形成を規則ドメイン境界が抑制するためと考えられる。このことは、熱処理にて規則ドメインサイズを制御した結晶を用いた実験の結果からも裏付けられている。さらに、応力-歪曲線の解析により2.2Tタイプ擬双晶のエネルギーを見積もることにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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