2011 Fiscal Year Annual Research Report
統合型誘電率設計手法を用いた極低消費電力素子のナノ材料プロセスの研究開発
Project/Area Number |
23360321
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江利口 浩二 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70419448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斧 高一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30311731)
鷹尾 祥典 京都大学, 工学研究科, 助教 (80552661)
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Keywords | 表面・界面 / プラズマプロセス / 誘電率 / 極低消費電力 / 欠陥層 / 電子 / ナノ材料 |
Research Abstract |
低炭素社会の実現には、個々の電子デバイスの極低消費電力化・高信頼性化が不可欠である。しかし、それらデバイスの新材料・プロセス研究開発段階での極低消費電力化の埋め込み設計思想は不十分であり課題が多い。本研究では、 (1)材料技術に加えプロセス技術・素子構造設計技術を利用した極低消費電力化、 (2)誘電率制御メカニズムの学術的・技術的基盤の構築、 の2つの観点から研究を推進する。具体的には、ナノスケール表面での誘電率解析手法(光学的・電気的)や超微細加工に必須のプラズマプロセス技術を応用展開し、プラズマプロセスにおける表面ナノ領域の誘電率変化機構を解明する。また、ナノ領域変質の物理モデルを組み込んだ統合的設計手法を開発し、表面の誘電率構造最適化技術及び新しいプラズマプロセス技術・電子デバイスの極低消費電力化の設計手法を構築する。平成23年度には以下の成果が得られた。 (1)極低消費電力デバイス実現のためのプラズマプロセス技術の確立 産業界における2つのプラズマ源(誘導型(ICP)及び容量型(CCP))を1つのチャンバーで実現するプラズマ装置を構築した。そのチャンバーを用いて、希ガス系プロセスにより形成した消費電力増大要因となる電気的な構造的欠陥(以下、欠陥と記す)を、電気的誘電率解析手法により解析した。各種プラズマガス条件による表面反応層及び欠陥密度の違いを系統的に整理した。また、原子層レベルでの除去技術を駆使し、深さ方向の欠陥密度分布を得ることができた。 (2)表面反応層形成過程モデリングの基盤構築 分子動力学法におけるポテンシャルモデルを改善し、その計算精度の向上を実現した。また、量子化学計算コードを利用した解析から、上記(1)の実験結果の妥当性を検証し、将来の統合型誘電率設計手法のための予測モデル基盤とすることができた。今後、これらを発展させ、誘電率との相関モデル構築へと展開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初のマイルストーンである、プラズマ源の構築及び希ガス系を中心とした実験は完了させることができた。また、それら表面反応層の電気的誘電率変化の解析を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度以降は、 (A)誘電率解析システムのプラズマ装置への統合~in-situ化 を進め、本プラズマ装置に、光学的誘電率解析手法の1つと位置づけているPRSシステムを取り付け、従来の大気暴露による表面層の誘電率変化の効果を除去し、表面層から原子層毎の誘電率の動的変化を高精度にin-situで計測することを狙う。また、 (B)計算コードの応用・改良 を進め、上記の実験結果の妥当性の検証を進める。
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Research Products
(8 results)