2011 Fiscal Year Annual Research Report
高密度プラズマ反応制御による酸化物半導体薄膜の低温高品質形成法の開発と膜特性評価
Project/Area Number |
23360325
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80236108)
|
Keywords | プラズマ加工 / 低損傷プロセス / 反応性製膜 / 酸化物半導体 / 低温形成 |
Research Abstract |
本研究では、反応過程の解明を通じたプラズマの高度制御により、酸化物半導体薄膜トランジスタ(TFT)素子を形成するプロセスの低温化と高品質化を実現する新しいプロセスの確立を目的としており、目的達成のため、以下の課題を設定している。[1]当該薄膜と高密度プラズマとの相互作用解明、[2]高密度プラズマ酸化アニールプロセスの開発、[3]プラズマ支援スパッタ製膜における反応過程解明、[4]製膜プロセス制御法の開発、[5]膜特性評価とプロセス最適化。 本年度は、上記の[1]と[2]に主眼をおいて研究を推進し、得られた知見に基づいて、アニールプロセスの低温化に向けたプラズマの高度制御プロセスの探索ならびに製膜装置の基盤となるプラズマ製膜容器の仕様について検討を行った。まず、酸化物半導体薄膜とプラズマとの相互作用ならびにアニールプロセスに関する実験では、膜構成粒子1個当たりのプラズマ照射量に対し、TFT素子の電気的特性が顕著に変化することが明らかになった。このため、本研究の最終的な目的達成に向けて、製膜装置の基本設計仕様について慎重に検討するため、追加実験による更なるデータ蓄積と装置性能改善に関する予備実験を行い、製膜速度分布とプラズマ分布の要求仕様と構造を決めた。さらに、アニールプロセスの低温化に向けて、照射するプラズマのパラメータとの相関について究明し、プラズマパラメータ制御による酸化物半導体薄膜の導電性制御に道を拓く結果が得られ、将来の新しい低温製膜プロセスの開発に繋がる契機となることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要欄で先述したように、初期の予想に反して、膜構成粒子1個当たりのプラズマ照射量に対し、TFT素子の電気的特性の変化が顕著であったことから、追加データの蓄積を行ったが、当初の目的は概ね達成できており、研究計画は順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に蓄積した知見をもとに、本研究計画で設定した以下の課題について、計画通りに研究を推進する。[3]プラズマ支援スパッタ製膜における反応過程解明、[4]製膜プロセス制御法の開発、[5]膜特性評価とプロセス最適化。特に、プラズマ支援スパッタ製膜においては、プラズマパラメータに基づくプロセスの制御因子について、アニールプロセスとの関わりにも着目して、研究を進めていく予定である。
|
Research Products
(18 results)