2011 Fiscal Year Annual Research Report
仕事関数と電界制御による粒子表面の精密電荷付与と複合場における粒子運動の同時解析
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23360341
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松坂 修二 京都大学, 工学研究科, 教授 (10219420)
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Keywords | 粒子 / 接触帯電 / 表面電荷 / 電界 / 静電気力 |
Research Abstract |
粒子に働く各種付着力の中で,静電気力は遠距離で働く場の力でもあり,引力だけではなく斥力を働かせることも可能なため,粒子を遠隔で操作するとき非常に有用な力となりえる。電界を利用して粒子に静電気力を働かせるには,粒子を帯電させる必要があり,帯電量の制御には荷電と除電を同時に行える接触帯電が効果的である。ただし,粒子に働く付着力は粒子の運動を阻害するので,付着力を超える連続的な外力を加えて,粒子を壁と繰り返して接触させる必要がある。本研究では,付着力に加えて,重力,静電気力,振動に伴う力を組み合わせた複合場で粒子の運動を制御できる実験装置を考案し,粒子の運動と帯電の同時解析により,粒子の精密電荷付与法を確立することを目的とする。本年度は,粒子帯電過程の定量解析に必要な実験装置を設計・制作し,装置の作動試験を行った。本装置の主な特徴を以下に記す。(1)粒子を壁と物理的に接触させる帯電方式を採用した。(2)接触壁には対向電極を配置し,高電圧発生装置を用いて任意の直流電圧を印加することにより有効接触電位差を調節し,粒子表面電荷密度を制御できるようにした。(3)粒子は壁を傾斜させて外部振動を加えることにより壁面上を移動できる構造にした。(4)粒子の帯電量はファラデーケージにエレクトロメーターを接続して測定し,静電気力を解析するデーターが得られるようにした。(5)振動源には圧電素子を用い,振動波形はファンクションジェネレーターで制御したのちアンプで増幅して任意の振動を与えられるようにした。また,進行方向に直交する方向にも振動を加え,三次元振動を加えられる構造にした。(6)振動時間を制御し,粒子の運動は高倍率ズームレンズを備えた高速度カメラで撮影できるようにした。(7)粒子と壁との接触移動距離および外部電界を系統的に変えて電荷を測定できる構造とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒子帯電過程の定量解析に必要な実験装置の設計・制作が,おおむね順調に進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年設計・製作した装置を用いて粒子の帯電基礎実験を行い,データを収集するとともに帯電プロセスの理論的検討を行う。
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Research Products
(2 results)