2012 Fiscal Year Annual Research Report
地熱水からのリチウムとホウ素の同時分離回収プロセスの開発
Project/Area Number |
23360344
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
吉塚 和治 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70191567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浜 章平 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (00347668)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 反応・分離工学 / 資源開発工学 / 吸着・イオン交換 / レアメタル / 地熱水 |
Research Abstract |
本研究は地熱水や温泉水から、溶存元素であるリチウムとホウ素のレアメタル2元素を同時に、かつ、高選択的に分離濃縮できる吸着分離剤と分離回収プロセスを開発することを目的としている。本年度は、応用的研究として以下の研究を行った。 (1) カラム法による模擬地熱水からのリチウムとホウ素の分離回収実験 平成23年度の研究で開発した吸着剤を充填したカラムを用いて、模擬地熱水を用いたリチウムとホウ素の分離回収を個別に行った。模擬地熱水中の共存イオンの阻害を抑制しながら、各々の金属を高選択的に分離回収できるよう、供給液速度、吸着後のカラム洗浄(スクラビング)、溶離についての条件の探索を行った。 (2) 地熱水からのリチウムとホウ素の同時分離回収の基礎実験 自作の吸着カラムとペリスタリックポンプなどと組み合わせて「地熱水からのレアメタル2元素同時分離回収ミニプラント」を設計・製作した。これを用いて、模擬地熱水からのリチウムとホウ素の吸脱着挙動、共存元素からの分離挙動に対する実験条件(地熱水のpH、温度、流量、溶離液の濃度など)の影響について明らかにした。具体的には、模擬地熱水をリチウム吸着カラムとホウ素吸着カラムを直列に並べた吸着カラムモジュールへ供給して、リチウムとホウ素の破過挙動、およびこれらの金属を負荷した吸着カラムからの溶離挙動を明らかにした。溶離時はカラムを並列に使用し、それぞれのイオンを別々に溶離する方式を採用した。この連続式吸着溶離実験より、ターゲット金属/共存金属の選択性や吸脱着速度の温度依存性などを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年計画であり、初年度の基盤的研究、2年度の応用的研究および3年度の実証研究を予定している。平成24年度は平成23年度に開発した吸着剤を充填したカラムを用いて実際の地熱水からのリチウムやホウ素の回収の実験とその評価を行うなど、ほぼ応用的研究は完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に引き継ぎ、サンプリングした地熱水からカラム分離実験を行うが、リチウムとホウ素の吸着分離の繰り返し実験を行い、吸着剤の安定性や耐久性などについて評価するとともに、地熱水からのリチウムとホウ素の同時分離回収プロセスを提案する予定である。
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Research Products
(11 results)