2012 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノファイバーの大量合成に向けたナノ触媒の設計とナノ触媒リアクターの開発
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23360351
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
綿野 哲 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40240535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲村 英也 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00584426)
岩崎 智宏 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50295721)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 化学工学 / 触媒・化学プロセス / ナノチューブ・フラーレン / システム工学 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
平成24年度は、回転式流動層を用いたカーボンナノファイバー(CNF)のCVD合成プロセスの構築に向けた基礎検討として、触媒粒子の調製および最適反応条件の探索を行った。まず、調製した触媒粒子および生成するCNFの流動化挙動を回転式流動層型反応器のコールドモデルを用いて可視化し、その流動化特性について検討した。Ni/Al2O3触媒粒子を含侵法により調製し、固定層型CVD反応器内でCNFを合成した結果、反応初期においてCNFの生成量は急激に増加し、生成物のバルクの比容積も飛躍的に増加するが、比較的短い反応時間(5分以内)でCNFの生成量増加は飽和に達することが分かった。反応温度・反応時間・Ni担持量などの各種条件が生成量や生成物物性に及ぼす影響についても明らかにした。また、回転式流動層型反応器のコールドモデルを用いて、調製した触媒粒子およびCNFの流動化実験を行った。その結果、回転式流動層において触媒粒子は流動化不良を起こさず、均一流動化することが確認された。 さらに、カーボンナノファイバーを流動層反応器で合成するための触媒粒子として、基材粒子(電解銅粉)に触媒前駆体粒子(ニッケル鉄層状複水酸化物)を担持させた複合粒子を設計した。CVD条件の最適化の指針を得るために、固定層反応器を用いて触媒活性成分の担持量や反応温度等の条件がカーボンナノファイバーの生成に及ぼす影響について基礎的な検討を行った。その結果、カーボンナノファイバーの生成に適した複合粒子の組成と反応温度が明らかとなり、さらにこの複合粒子の流動層反応器での利用可能性を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試作に困難を極めた高温対応の回転式流動層も完成し、回転式流動層を用いたCNFの実験に着手する予備検討が全て終了した。また、平成24年度の研究成果を通じて、各種基本条件が生成するCNFの生成量や物性に及ぼす影響が明らかとなり、次年度に取り組む回転式流動層型反応器を用いた合成実験の際に重要となる基礎的な触媒粒子調製条件および装置運転条件を把握することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
高温RFBを利用したナノ触媒リアクターにナノ触媒粒子を挿入し、CNFの大量合成を実施する。このとき、最適な操作条件の決定を行うとともに、安定した運転を維持するために必要な装置設計や運転の制御などを行う。また、大量生産されたCNFの各種物性を解析してその均質性を評価するとともに、製造コストおよび生産性の観点からプロセスの評価を行う。最終的には、2009年にZhangらが報告したCNFの世界最高生産率50[g-Product/g-metal/h]を遥かに凌駕する100[g-Product/g-metal/h]の達成を目標とする。
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Research Products
(1 results)