2011 Fiscal Year Annual Research Report
表面科学的手法による金属触媒と炭素担体間の相互作用の解明
Project/Area Number |
23360352
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 潤児 筑波大学, 数理物質系, 教授 (40227905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 剛弘 筑波大学, 数理物質系, 講師 (70373305)
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Keywords | 白金 / ナノクラスター / 触媒 / 燃料電池 / 表面科学 / グラフェン / ナノカーボン / 水素 |
Research Abstract |
代表的な成果として、グラフェンに白金のサブナノクラスターを高分散担持することに成功した。通常は触媒担体として、カーボンブラックを使用するが、その場合のPt粒子の直径は2~5nmであり、そのPt表面積は50~80 m2/gである。どのような炭素担体に白金を担持しても、粒子径が1 nm以下のなることは報告されていない。しかし、本研究において、グラフェンに担持した白金クラスターを電子顕微鏡で観察した結果、サイズは0.5~0.9 nm程度であり、そのクラスターがグラフェン一面に分散していることが明らかとなった。すなわち、ひとつのPtクラスターには白金原子が3~8個程度しか含まれていないことになる。なぜ、サブナノメートルサイズのPtクラスターができたり、高担持量でも小粒径を保たれるかに興味が持たれる。これはPt微粒子とグラファイト系炭素との界面相互作用の結果と結論された。触媒の粒子径が小さくなると、粒子を構成するPt全原子数に対する界面のPt原子数の割合が高くなる。グラファイトにおいて単原子層のPtクラスター(直径2 nm以下)が生成することを既に見出している。このPtクラスターは通常のPt触媒とは異なった性質を示し、H2-D2交換反応活性が著しく大きく、また、COの吸着エネルギーが著しく小さい。この結果は、界面のPt炭素との界面にあるPt原子の電子状態が、バルクのPtのそれと異なっていることによって説明される。すなわち、グラファイト表面のπ軌道とPtのd軌道との間のπ-d相互作用が働くものとして説明される。金属錯体の分野では、π-d相互作用についてよく知られている。界面相互作用を利用して、高価なPtの活性を安価な炭素を用いて促進し、Ptの使用量を削減できることは極めて魅力的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再現性良くグラフェンに白金のサブナノクラスターを高分散担持することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
グラフェン上での白金のサブナノクラスター生成メカニズムおよびサイズ効果を調べる。
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Research Products
(4 results)