2011 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス表面における特異な酸性質発現機構の解明とその酸触媒反応への応用
Project/Area Number |
23360355
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宍戸 哲也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80294536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 庸裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (70201621)
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Keywords | 固体酸 / ブレンステッド酸 / セラミックス / 単分子層 / ナノシート構造 |
Research Abstract |
本年度は,V族元素であるNb2O5/Al2O3およびTa2O5/Al2O3について焼成温度および担持量による酸性質及びNbあるいはTa周囲の構造の変化について検討を行った.数種類の酸触媒反応について検討を行い焼成温度またはNbあるいはTa酸化物担持量の影響について検討を行った。Nb2O5担持量を16wt%に固定し,焼成温度を変化させたNb2O5/Al2O3を用いて反応を行ったところ,焼成温度773K以下ではほとんど活性を示さなかった.これに対して焼成温度823K以上の領域では焼成温度の上昇に伴い活性が向上し,1123Kで最も高い活性を示した.次に焼成温度を1123Kに固定し,担持量を変化させて反応をおこなったところ,担持量16wt%で最も高い活性を示した.Ta2O5/Al2O3については,焼成温度を1223K,担持量33wt%で最も高い活性を示した・プローブ分子を用いたIR測定を行い,ブレンステッド酸量を見積もったところいずれの系についてもブレンステッド酸量の変化は,活性と良い相関を示すことが分かった.この結果は,1100K以上の高温で焼成した後も酸性特にブレンステッド酸点が発現していることを示す興味深い結果である.XRD, Raman, Nb K殻XAFSスペクトル等による検討から,高温で焼成したNb2O5/Al2O3触媒上に発現したブレンステッド酸点は,モノレイヤー状のニオブ酸化物ドメイン同士が接触する界面に発現した歪んだ架橋水酸基であることが分かった.さらにVI族元素であるWO3/Al2O3およびMoO3/Al2O3についても1100K以上の高温で焼成するとブレンステッド酸点が発現することを見出した。また、いずれの系についてもモノレイヤー状の酸化物種の形成が酸点の発現に関与していることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高温で焼成した金属酸化物(セラミックス)表面における特異なブレンステッド酸性の発現をV族及びVI族の金属酸化物について系統的に検討を進めた.その結果、これらの系におけるブレンステッド発現機構にモノレイヤー状の金属酸化物の形成が関与していることを明らかとし、普遍的な固体表面における酸性質の発現モデルの一つを提案することに成功した.量子化学計算の適用、安定なブレンステッド酸点の有効利用に関する検討も開始した.従って、概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
V族元素Nb2O5/Al2O3およびTa2O5/A12O3について.高温で焼成した金属酸化物(セラミックス)表面における特異なブレンステッド酸性の発現機構をさらに検討するために量子化学計算を行う.また,発現した安定なブレンステッド酸点の有効利用に関する検討をさらに進める.VI族元素であるWO3/Al2O3およびMoO3/Al2O3について.WあるいはMo周囲の局所構造の解析をさらにすすめこれらの系における特異なブレンステッド酸性周囲の局所構造を明らかとする.発現したブレンステッド酸点の酸強度に関する情報が不足しているので、この点についても検討を進める.
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Research Products
(14 results)