2013 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス表面における特異な酸性質発現機構の解明とその酸触媒反応への応用
Project/Area Number |
23360355
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宍戸 哲也 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80294536)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 固体酸 / ブレンステッド酸 / セラミックス / 単分子層 / ナノシート構造 / 表面水酸基 |
Research Abstract |
本年度は,WO3/Al2O3について、担体であるアルミナの表面性質(比表面積、表面水酸基量・密度)が担持される酸化物のモルフォロジーならびに発現する酸性質に与える影響について検討を行った。 WO3/Al2O3では,1123 K程度の高温で焼成を行うことによりアルミナ上に歪んだ6配位構造を有したアモルファスタングステン酸化物モノレイヤーが形成され,形成されたタングステン酸化物モノレイヤー上のブリッジ状の水酸基[W-OH-W]がブレンステッド酸点として機能すると考えられる。また,異なるγ-アルミナ上に同じ担持量20 wt%のタングステン酸化物を担持させた場合、ほぼ同量のブレンステッド酸点が発現することがわかった。一方、Friedel-Craftsアルキル化およびα-ピネン異性化の活性は、異なるγ-アルミナを担体とすることでそれぞれ変化することを明かとした。これは、触媒上のタングステン由来のLewis酸点が活性に対する阻害効果を示すためであること、タングステン由来のLewis酸点量の少ない触媒で特異的に高い活性が得られることがわかった。 表面水酸基密度の高いアルミナを担体とした場合、アルミナ上に規則性の高い、整然とした6配位タングステン酸化物モノレイヤーが形成されるのに対して、表面水酸基密度の低いアルミナを担体とした場合、6配位タングステン酸化物モノレイヤー中に4配位または5配位W種(低配位種)が混在することがわかった。これらの低配位種は、配位不飽和なタングステンカチオンサイト、すなわちタングステン由来のLewis酸点として働くと考えられ,表面水酸基密度が低い触媒で反応活性が低い原因であると推測された。これらの結果は、担体の表面水酸基の密度が、担持される金属酸化物のモルフォロジーおよび表面性質に強く影響することを明確に示したものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)