2012 Fiscal Year Annual Research Report
シングルサイト光触媒をプラットホームにする金属ナノ粒子の調製と応用
Project/Area Number |
23360356
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 弘巳 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40200688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 浩亮 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90423087)
亀川 孝 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50525136)
大道 徹太郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), その他 (10379141)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | シングルサイト光触媒 / 規則性ナノ多孔体 / メソポーラスシリカ / 金属ナノ粒子 / 合金触媒 / ワンポット反応 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
シングルサイト光触媒を利用して高次構造制御された金属ナノ粒子の製造法と有効利用法を開拓した。 ゼオライトやメソポーラスシリカ、金属有機構造体(MOF)などといった規則性ナノ多孔体の壁面に孤立した遷移金属イオン種を組み込むことで、シングルサイト光触媒を調製した。シングルサイト光触媒を紫外光またはマイクロ波照射で選択励起し、その還元作用を利用してサイズと形の制御された金属ナノ粒子・合金ナノ粒子(コア・シェル型、固溶体型)を光析出させ調製した。そのようにして得られた金属ナノ粒子の高選択性触媒としての応用と、金属ナノ粒子の表面プラズモン共鳴励起を利用する強発光体・高活性光触媒の設計とを行った。 シングルサイト光触媒上に分散・固定化されたPdナノ粒子やPd-Ni合金ナノ粒子は水素化反応に高い活性を示した。同様の手法でPtナノ粒子やCuナノ粒子の合成を行い、それぞれの金属の反応性を活かした触媒反応への展開を行った。中でも、シングルサイト光触媒上に合成されたPd(Pd-Au合金)ナノ粒子が過酸化水素合成に高活性を示すことを明らかにした。得られた知見を更に発展させ、構造制御できた金属ナノ粒子触媒とシングルサイト光触媒の反応性と組み合わせることで、二つの連続した反応を一つの触媒で可能にするワンポット触媒反応系の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでにゼオライト、メソポーラスシリカや金属有機構造体(MOF)などの規則性ナノ多孔体の壁面に孤立した遷移金属イオン種(チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、希土類など)を組み込むことで、シングルサイト光触媒を調製することに成功している。また、シングルサイト光触媒のユニークな光励起酸化還元作用を利用して金属イオン源を還元固定化する光析出法により、サイズと形の制御された金属ナノ粒子・合金ナノ粒子触媒を合成することにも成功している。 本年度は、このような手法で得られた種々の金属ナノ触媒・合金ナノ触媒の高選択性触媒としての応用を実施した。例えば、水素・酸素から有機合成の分野で利用価値の高い酸化剤である過酸化水素の直接合成を試み、シングルサイト光触媒上に合成されたPd(特にPd-Au合金)ナノ粒子が過酸化水素合成に高活性を示すことを明らかにした。得られた知見を更に発展させ、水素・酸素からの過酸化水素合成、その後の過酸化水素を酸化剤とした逐次的選択酸化反応を可能とするワンポット触媒反応系の設計を行った。へテロ原子としてTiを有するシングルサイト光触媒と析出させたPdナノ粒子とを構造制御されたシリカ多孔質体内で高次に複合化することで、チオアニソールからメチルフェニルスルホキシドへの選択酸化反応に高活性を示すワンポット触媒系を創製することに成功した。また、シリカマトリクス内のヘテロ原子をFeに置き換えることで、フェノールの選択酸化反応を可能にするワンポット触媒系の構築を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果により、シングルサイト光触媒をプラットホームとすることでサイズや構造を制御した金属ナノ粒子・金属合金粒子が合成可能であり、それら金属粒子が逐次的な有機物の選択酸化反応を可能とするワンポット反応触媒として利用可能であることが明らかとなってきた。更なる応用の展開が期待でき、例えば、高難度とされているベンゼンからのフェノール合成反応への応用や、貴金属触媒の有する水素化(脱水素)能を有したワンポット触媒反応系の構築も、グリーンケミストリーの観点から研究の意義があると考えられる。また、本体のシリカ多孔質体の構造を目的に応じて最適化・高次元化することで、触媒としての性能は一桁以上向上することが見込める。今後は、これらの観点からアプローチを進め、新規な金属ナノ粒子触媒の創製を目指してゆく。 また次年度は、本手法によりゼオライトやメソポーラスシリカ細孔内に光析出した金属ナノ粒子に色素分子や金属錯体を共存させることにより、金属ナノ粒子の表面プラズモン共鳴励起を利用した強発光体・高活性光触媒系の設計を中心に実施する。金属ナノ粒子の構造制御とスペースの最適化により、より顕著なプラズモン増強電場を実現し、新しい光機能材料を創製する。また可視・紫外光照射の他にマイクロ波照射やγ線によっても界面励起状態を作りだし、形状およびサイズの制御された金属種の固定化を検討する予定である。
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Research Products
(54 results)
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[Journal Article] Efficient degradation of CO and acetaldehyde using nano-sized Pt catalysts supported on CeO2 and CeO2/ZSM-5 composite2013
Author(s)
Fuku, K., Goto, M., Sakano, T., Kamegawa, T., Mori, K., Yamashita, H.
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Journal Title
Catalysis Today
Volume: 201
Pages: 57-61
DOI
Peer Reviewed
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