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2011 Fiscal Year Annual Research Report

プローブ分子を要しないリアルタイム細胞応答観察法の開発とバイオセンシングへの応用

Research Project

Project/Area Number 23360365
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

篠原 寛明  富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (60178887)

Keywords細胞応答 / 非標識 / 観察法 / 2次元SPR / 薬物センシング / PKC / トランスロケーション / 細胞イメージング / インピーダンス測定 / 細胞生存率
Research Abstract

平成23年度は、(1)(2)(3)の掲げた目的に対して以下のように成果を上げることができた。
(1)種々の株化動物細胞の薬物刺激応答の2次元SPRイメージング観察
この目的に対して、免疫系細胞株として、ラットの肥満細胞モデルであるRBL-2H3細胞を用い、IgE刺激や、IgE感作後の抗原刺激を行い、その細胞応答を2次元SPRイメージャーで観察した。その結果、細胞領域の反射強度がigEや抗原の濃度に依存して増加し、従来法よりも迅速、簡便でしかも検出限界も勝る抗体や抗原のセンシングが可能であることを示せた。また、内分泌系細胞株として、ラットの副腎髄質由来褐色腫瘍細胞であるPC12細胞を用い、そのK^+刺激応答を2次元SPR観察の反射光強度の増加として、しかも個々の細胞ごとに観察できることを示し、応答強度や細胞の応答率から、刺激薬物のセンシングが可能であることを明らかにできた。
(2)次元SPRイメージングで可視化される細胞内反応の検討
この目的に対し、薬物刺激によって細胞内で引き起こされるPKC(プロテインキナーゼC)の細胞膜近傍へのトランスロケーションに着目し、RBL-2H3細胞、PC12細胞いずれもPKCを直接活性化するホルボールエステルでの刺激を試みた。その結果、確かにほとんどの細胞領域で予期した反射光強度のゆっくりとした上昇が観察された。また、PKC阻害剤であるスタウロスポリンで前処理をしておくと、ホルボールエステル刺激による細胞領域の反射光強度の増加が大きく抑制されることも明らかにできた。2次元SPRは金チップ上に接着した細胞内でのPKCの細胞質から底面の細胞膜近傍へのトランスロケーションを観ている可能性が大きく支持された。
(3)細胞応答をインピーダンス測定でリアルタイム観測する方法の検討
この目的に対し、酵母をモデル真核細胞として用い、平板電極間でのインピーダンス測定により、培養液に懸濁した細胞のキャパシタンスを測定したところ、細胞生存率との相関が明らかとなり、非染色で細胞の生死評価に応用できる可能性が示せた。次年度以降、薬物刺激に伴う細胞応答、生死の変化をインピーダンス測定していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

10.で記したとおり、年度目標をほぼ達成できた。インピーダンス測定に関しては、測定系の立ち上げにやや手間取り、株化細胞を用いた実験は次年度に回すことになったが、一方で酵母細胞の生存率を染色を要せず評価できる方法を開発でき、大きな収穫があった。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度の成果を踏まえ、今後、以下のように研究を進める予定である。
(1)神経系、神経内分泌系など、さらに異なる系の株化動物細胞を用いて、PKCのトランスロケーションを引き起こす生体物質や薬物で刺激したときの細胞応答を2次元SPRでイメージングできることを示し、生体物質や薬物の迅速、簡便で高感度なセンシング法としての2次元SPR-細胞イメージング法の汎用性を示したい。
(2)未分化状態の細胞とその分化後の細胞では、同じアゴニストに対する応答が変化することが知られており、よってアゴニスト刺激応答の変化を2次元SPR観察すれば、個々の細胞の分化状態を非侵襲に評価できるものと発想した。そこで、神経前駆モデル細胞としてよく用いられるPC12細胞で、NGF投与による分化前後でアセチルコリン受容体アゴニストでの刺激応答を2次元SPR観察し、分化状態のリアルタイム評価が可能であることを明らかにしたい。近い将来、ES細胞やips細胞の非侵襲での分化評価に応用できればと期待する。
(3)いくつかの培養細胞について、インピーダンス測定により細胞キャパシタンスを測定し、生存率との相関を検討して、標識剤や染色試薬の要らない生死状態の評価法として確立する。また、細胞を薬物刺激した際の細胞キャパシタンスの変化を測定することによる薬物センシングの可能性を示したい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Living cell-based allergen sensing using a high resolution two-dimensional surface plasmon resonance imager2011

    • Author(s)
      M.Horii, H.Shinohara. Y.Iribe, M.Suzuki
    • Journal Title

      Analyst

      Volume: 136 Pages: 2706-2711

    • DOI

      10.1039/c0an00874e

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Mammalian cell-based drug sensor using 2D-SPR imager2011

    • Author(s)
      T.A.Mir, S.Demura, Y.Sakai, H.Shinohara
    • Organizer
      9^<th> Asian Conference on Chemical Sensors
    • Place of Presentation
      Taipei, Taiwan
    • Year and Date
      2011-11-16
  • [Presentation] Reagent-less observation of intracellular event for drug screening2011

    • Author(s)
      H.Shinohara
    • Organizer
      Mini-Basel-Toyama Meeting on Pharma Technology
    • Place of Presentation
      Basel, Switzerland(招待講演)
    • Year and Date
      2011-09-21
  • [Presentation] Cell-based biosensing with a 2D-surface plasmon resonance imager for drug assessment2011

    • Author(s)
      H.Shinohara, S.Demura, Y.Sakai, T.A.Mir
    • Organizer
      第34回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • Year and Date
      2011-09-15

URL: 

Published: 2013-06-26  

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