2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23360367
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 秀雄 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00237348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒島 孝明 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (40509080)
岩崎 雄吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (50273214)
小林 功 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所, 研究員 (70425552)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酵素 / スクリーニング / エマルジョンPCR / 無細胞タンパク質合成系 |
Research Abstract |
申請者らが独自に開発した、エマルジョンPCRと無細胞蛋白質合成系を組み合わせたDNA-蛋白質のビーズディスプレイ技術を用い、非常に大規模なライブラリー(10の9乗)を構築し、セルソーターによりスクリーニングする、ギガスクリーニングシステム(GSS)を確立することを目的として研究を行なっている。今年度は以下の様な成果が得られた。 1) ハイスループットスクリーニングにおいてその定量性は、重要なポイントである。まずビーズ1個あたりに固定化されるDNA量や蛋白質量は、できるだけ均一な方が望ましい。そこでマイクロフォーカシング法によるエマルジョン作製法を適用し、均一なエマルジョンを高速に作製することに成功した。 2)対象酵素として西洋わさびペルオキシダーゼを取り上げ、その無細胞タンパク質合成系による発現に成功し、ビーズ上に活性体として提示することができた。さらにFACSスクリーニングに対応したアッセイ系を構築し、モデルライブラリーを用いたスクリーニングに成功した。またPhanerochaete chrysosporium由来マンガンペルオキシダーゼの無細胞蛋白質合成系による発現条件を検討し、各種シャペロンの効果を明らかにした。さらにビーズ上での活性発現、およびエマルジョン中での酵素活性を確認した。 4) DNA結合タンパク質を用いた新規なビーズーDNA-タンパク質複合体構築をこころみたところ、抗体を介した従来法より約10倍近くビーズ上へのタンパク質の提示量を増大させることに成功した。 5)DNAライブラリーをディスプレイさせ、転写因子に結合する配列を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで既に西洋わさびペルオキシダーゼのビーズディスプレイと活性スクリーニングシステムの構築に成功している。また他の3種類の酵素についても無細胞系での活性発現と、ビーズ上への提示に成功している。またエマルジョンの均一化については当初予定したマイクロチャネルによるエマルジョン作製方法が、デッドボリュームが大きく、また装置の安定運転に困難が伴うなどの問題に直面した。そこでマイクロフォーカシング法に変更したところ、十分実用に耐えうる簡便さで非常に均一なエマルジョンを作製することができており、今後スクリーニングの精度を飛躍的にあげられると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の成果に基づき以下のように研究を推進する。 1)マイクロフォーカシング法によるエマルジョン作製法を用いて、各反応に最適なエマルジョン径調整法を確立する。 2)西洋わさびペルオキシダーゼを対象として変異酵素のスクリーニングを行い、高機能酵素を取得する。 3)DNA結合タンパク質を用い、各種のタンパク質をビーズ上へ提示する技術を確立する。 4)トランスグルタミナーゼの基質配列特異性を、本手法により決定する。さらに本酵素をビース上に提示させ、スクリーニングできるシステムを構築する。 5)マンガンペルオキシダーゼなどのように基質が水溶性の場合に適用可能な、ビーズディスプレイに適用可能なアッセイ方法を確立する。
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Research Products
(5 results)