2012 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞工学によるトランスジェニック鳥類を用いたバイオ医薬品生産基盤の創製
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23360372
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上平 正道 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40202022)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生物・生体工学 / バイオテクノロジー / トランスジェニック鳥類 / 幹細胞 / フィーダー細胞 / ニワトリiPS細胞 |
Research Abstract |
幹細胞工学によるトランスジェニック鳥類作製技術を確立するために、iPS細胞誘導技術を導入することでニワトリiPS細胞の樹立を目的として研究を行っている。前年度に作製した遺伝子導入フィーダーは、マイトマイシンC処理を行うと2週間をこえる長期維持ができないため、マウスやヒトES細胞やiPS細胞で実績のあるSNL細胞を親細胞として、ニワトリLIF, bFGF, SCF遺伝子を導入したフィーダー細胞を作製した。新たに作製したフィーダー細胞では、長期培養でも維持できることがわかった。この細胞を用いてニワトリ胚盤葉期細胞を培養したところ、以前作製したものより未分化維持能力が若干劣るものの未分化培養が可能であった。フィーダー細胞の作製と同時に、ニワトリ胚性繊維芽細胞にiPS誘導因子遺伝子を導入することによるニワトリiPS細胞誘導についても検討を行った。前年度に取得したOct4, Klf4, Sox2, c-Myc, L-Myc, Nanog, Nr5a2のニワトリホモログの遺伝子に、Glis1, RARα, RARβも加えて検討した。現在までのところ、適当な遺伝子の組合せによって未分化マーカーであるアルカリホスファターゼ陽性細胞の出現は見られるが、安定して継代培養可能な細胞株は得られていない。引き続きiPS誘導因子遺伝子の導入によるニワトリiPS細胞誘導実験を行っている。さらに、未分化維持に必要なニワトリ特有の因子を探索するために、分化万能性が知られているニワトリ胚盤葉期細胞で発現しているRNAを抽出し、大規模シーケンサーを用いた網羅的な配列解析を行っている。現在、配列データが出たところであり、ゲノム情報から転写産物遺伝子の同定を行い、リプログラミングや未分化維持に有効な遺伝子のスクリーニングを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長期間培養維持可能な遺伝子導入フィーダー細胞の樹立に成功した。この細胞をフィーダーとして用いることで、ニワトリ胚盤葉期細胞の未分化維持に有効であることがわかった。ニワトリの体細胞からiPS細胞を樹立するために必要な因子として、マウス細胞でリプログラミングに効果が報告されている因子のニワトリ遺伝子を新たに取得することに成功した。ニワトリにおける分化万能性維持に関連する遺伝子を選抜するために、ニワトリ胚盤葉期細胞で発現しているRNAを抽出し、大規模シーケンサーを用いた網羅的な配列解析に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
SNL細胞を親細胞として未分化維持因子導入することで得られた遺伝子導入細胞をフィーダー細胞として用いて胚盤葉期細胞の培養を行い、フィーダー細胞の性能を定量的に評価する。これまで得られたSNL細胞を親細胞とする遺伝子導入フィーダー細胞は、親細胞が異なる以前作製した細胞より未分化維持能が劣るため、さらに性能の良い細胞の取得を試みる。ニワトリ胚性繊維芽細胞にiPS誘導遺伝子を発現させるためのレトロウイルスベクターにより遺伝子導入を行い、遺伝子導入フィーダー細胞上で培養することによって、ニワトリiPS細胞の誘導を行う。また、ニワトリ胚盤葉期細胞で発現しているRNAから、大規模シーケンサーを用いた網羅的な配列解析によって得られた配列データから、ゲノム情報を用いて転写産物遺伝子の同定を行い、リプログラミングや未分化維持に有効な遺伝子を選抜する。選抜した候補遺伝子をレトロウイルスベクターに導入し、ニワトリ胚性繊維芽細胞への遺伝子導入によってiPS細胞誘導実験を行う。
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