2012 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子を内蔵したCFRP構造のスマートセンシング・アクチュエーション
Project/Area Number |
23360376
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福永 久雄 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50134664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 寧 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60250685)
亀山 正樹 信州大学, 工学部, 准教授 (30302178)
跡部 哲士 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40586468)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | CFRP / 圧電素子 / センサ / アクチュエータ / スマート構造 / 構造ヘルスモニタリング / セミアクティブ制御 / セルフセンシング |
Research Abstract |
将来の航空宇宙機用CFRP構造の安全性と信頼性の一層の向上を図るためには、圧電素子を内蔵したスマート複合材構造の適用により、衝撃荷重により発生する損傷を自動的に検知する構造ヘルスモニタリング法を確立することが重要となる。また、運航中の構造振動を軽減するためには、圧電アクチュエータによる効果的制振を行うことが必要となる。本研究では、圧電センサ・アクチュエータを内蔵したCFRP複合材構造について、安全性と信頼性に優れた航空宇宙機用スマート構造の開発を目的とする。本研究テーマは2つの研究項目からなり、本年度の研究成果は下記の通りである。 (I) 衝撃荷重同定に基づく構造ヘルスモニタリング 1) 衝撃荷重位置・履歴同定に基づくCFRP積層板・補強パネルの構造ヘルスモニタリング法の開発 PZTを板表面に貼付したCFRP積層板および補強パネルについて、高周波弾性波の到達時間差に基づく衝撃荷重位置同定法を開発した。また、落錘衝撃時のCFRP積層板の衝撃荷重履歴同定結果に基づく実時間損傷同定法を開発し、損傷発生の有無により荷重履歴が大きく異なることを明らかにした。 2) FRP複合容器の衝撃荷重同定に基づく衝撃損傷同定法の開発 FRP複合容器の落錘衝撃時の衝撃荷重同定法を開発し、損傷発生の有無による荷重履歴が大きく異なることを明らかにした。また、同定された荷重履歴により損傷の大きさを推定することが可能となった。(II) セルフセンシング・セミアクティブ振動制御 アクチュエータの電圧計測によるセルフセンシング法を用いて、CFRP積層板のセミアクティブ振動制御則を構築した。フィルターによりモードを分離することにより、モード別多モード振動制御が有効に行えることを振動制御実験により検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた主要な研究項目のうち、「衝撃荷重同定に基づく構造ヘルスモニタリング」では当初CFRP補強パネルを対象としていたが、CFRP補強パネルは高価で多数の落錘衝撃試験を行うことが困難なため、CFRP積層板およびFRP複合容器について構造ヘルスモニタリング法を開発し、落錘衝撃試験時の同定した荷重履歴から容易に損傷を推定できることを明らかにした。一方、「セルフセンシング・セミアクティブ振動制御」については、当初計画通りに順調に研究成果が得られており、本年度はセルフセンシング法に基づくCFRP積層板のセミアクティブ振動制御則を構築し、フィルターによりモードを分離することにより、モード別多モード振動制御が有効に行える研究成果が得られた。なお、「CFRP補強パネルの振動制御データの取得」についてはPZTアクチュエータの作用力が不足しているため、次年度はより作用力の大きなアクチュエータで制御実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
「衝撃荷重同定に基づく構造ヘルスモニタリング」に関しては、前年度までのCFRP積層板に加え、CFRPサンドイッチパネルおよびアルミニウム表板サンドイッチパネルの衝撃荷重同定法を開発する。特にインパルスハンマ打撃時の損傷発生の有無による同定荷重の形状と損傷の関係を明らかにする。また、FRP・FW複合容器について様々な衝撃エネルギーでの落錘衝撃試験によりデータ蓄積を進め、サーモグラフィによる損傷面積の観察結果と衝撃エネルギーの関係を明らかにする。「セルフセンシング・セミアクティブ振動制御」では、少数のアクチュエータを用いてCFRP積層板の多モード振動制御実験を行い、本手法の有効性を示す。また、CFRP補強パネルについて作用力の大きなPZTアクチュエータを用いてセルフセンシング・セミアクティブ振動制御実験を行いその有効性を検証する。
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Research Products
(6 results)