2011 Fiscal Year Annual Research Report
波浪中における曳船・被曳船の連成挙動と索張力の理論計算法に関する研究
Project/Area Number |
23360386
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安川 宏紀 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40363022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 進 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10207102)
平田 法隆 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80181163)
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Keywords | 曳船 / 被曳船 / 索張力 / 波浪動揺 / 水槽試験 / 連星挙動 |
Research Abstract |
本研究の目的は,波浪中をタグ(曳船)によって曳航される船舶(被曳船)とその間を連結する曳航索の運動・挙動ならびに索に作用する張力を時刻歴ベースにシミュレートできる新しい理論計算法を開発することである。本年度は,正面向波の問題について取り扱った。以下に実施したことを列挙する。 1.基礎理論式の誘導:振れまわり運動を伴わない場合の正面向波中におけるタグや被曳船に関する運動方程式を誘導した。本計算法の特徴である曳航索については,ランプドマスモデルを用いて定式化した。タグや被曳船に作用する波浪流体力については,ストリップ法を用いて推定した。 2.計算プログラムの開発:上で求めた運動方程式を数値的に解いて,正面向波中におけるタグや被曳船の運動と曳航索の張力を時刻歴ベースに求める新しい計算プログラムを開発した。 3.水槽試験の実施:理論計算法の検証データを取得するため,広島大学船型試験水槽において正面向波中での模型試験を実施した。タグについては従来の計測法にならいガイドを用いた計測を行ったが,被曳船については,画像処理による新しい運動計測を行った。タグと被曳船の波浪中運動を2隻同時に計測することに成功し,上下揺れや縦揺れにおいては曳航索の影響が小さいが,前後揺れにおいて曳航索の影響が大きく出ることが分かった。 4.計算法の検証:開発された計算プログラムを用いて,正面向波中におけるタグと曳航バージの波浪動揺と索張力の計算を行った。その結果,本計算法は,上下揺れや縦揺れにおいては曳航索の影響が小さいが,前後揺れにおいて曳航索の影響が大きく出るという現象や索張力の非線形な現象を捉えるができること,定量的にも実用上十分な精度を持つこと等が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は予定の通りに進捗している。研究実施計画に記載されている1.基礎理論式の誘導,2.計算プログラムの開発,3.水槽試験の実施,4.計算法の検証,を全て実施し,ほぼ予定通りの成果を得ている。論文を作成し,現在投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は予定通りに進捗している。問題は発生しておらず,所期の通りに研究を進める。
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