2011 Fiscal Year Annual Research Report
インテリジェント円錐孔底ひずみ法の開発と3D JAPAN STRESS MAP
Project/Area Number |
23360399
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂口 清敏 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (50261590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 浩二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10108475)
木崎 彰久 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60344686)
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Keywords | 地圧測定 / STRESS MAP / 地震 / 円錐孔底ひずみ法 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
今年度は,高精度地圧測定法としてのインテリジェント円錐孔底ひずみ法の開発行い,その性能評価を行った。さらに,地震予知や廃棄物保管などを対象とする地圧情報の共有を目指す3D JAPAN STRESS MAPの構築に必要な地圧測定を行った。具体的な内容は以下の通りである。 1.ひずみ16入力,温度1入力,方位傾斜3入力(方位角・ロール角・ピッチ角)を備えた超小型データロガー(Cyclone Compact Data Logger)を開発した。このロガーは,従来の装置に比較して80%の単尺化(幅32mm×長さ200mm)に成功した。このデータロガーは従来のものよりも厳しい環境での動作が可能で,また,スリープ機能により起動するタイミングをプログラム設定可能で,消費電力量を抑えることができ,発熱抑制や動作時間延長を達成している。さらに,電圧ドロップ抑制電源回路も搭載しており動作信頼性も向上した。 2.開発した小型データロガーを内蔵でき,かつ,ストレインセルを孔底に貼付するための貼付装置(ストレインセルユニット貼付マシン)を開発した。本装置は,水没した孔底の所定の位置にストレンセルユニットを自動で(孔口から落とすだけという意味)貼付することができる。 3、釜石鉱山の550mL坑道内で地圧計測(孔口から25m~30m深度で5回測定,被りは約270m)を行った。本測定は,3D JAPAN STRESS MAP構築のための地圧情報を得ることを目的としたものであるが,併せて,東日本大震災前後における釜石地域の地圧の変化を詳細に把握することも目的としている。測定は成功しており,現時点では,結果の検討を行っている段階であるため,断定的な結論を本報告において記載することは尚早であると判断している。しかし,地震後(1年後)における地圧の変動について有益な知見が得られていることは断言できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,原位置測定は"可能であれば実施する"との位置づけであったが,これを実施できていることが進展度を高く評価している要因である。また,偶然ではあるが,東日本大震災という甚大な自然現象を履歴した地圧場の変動状況の情報を得ることができたことも含めて,当初計画以上の進展と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,当初計画どおり,釜石鉱山を対象として地圧測定を実施する。当初予定と異なる部分は,震災後の地圧場の変動を調査する目的を重ねる点であるが,研究計画そのものを変更する必要は無いので,本研究の遂行に当っての問題点は無い。 次々年度は,3D JAPAN STRESS MAP構築のためのソフトウェア開発を予定しているが,本ソフトウェア開発費を極力抑え,追加の原位置測定を実施できるような研究計画の再構築を目指す。
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Research Products
(4 results)