2011 Fiscal Year Annual Research Report
アレイの指向性制御によるFocused微動探査法の開発
Project/Area Number |
23360403
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
白石 英孝 埼玉県環境科学国際センター, 土壌・地下水・地盤担当, 担当部長 (60415396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅沼 宏 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (50250717)
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Keywords | 物理探査 / 微動探査法 / S波速度構造 / 指向性 / 平面波 |
Research Abstract |
本研究は、微動探査法で使用される地震計アレイの深度方向指向性を制御して、計測対象付近にフォーカシングした地下情報の収集を可能にする新たな計測法の導出に関するものである。今年度は、深度方向指向性の基礎的な理論検討、深度方向指向性の制御可能性に関する基礎的な数値実験および機材導入のための検討を行った。 1 理論検討については、地表上に設置したアレイに対し、地下から平面波が入射した場合のアレイの応答特性を入射角の関数として表し、アレイの深度方向指向性を表現した。この結果によれば深度方向指向性は、波数およびアレイの観測点間距離をパラメータとして変化する。また、定性的には高周波数の入射波に対しては鋭い指向性をもち、一方、低周波数の入射波に対しては緩やかな指向性をもつ。 2 制御可能性については、地震計アレイを構成するセンサ間の幾何学的位相差およびフォーカシングしようとする方位に振源があると仮定した場合のみかけの位相差を考慮し、アレイの出力信号間に位相を付加することで指向性を制御しうる可能性があることがわかった。 3 機材導入のための検討については、微動探査に使用しうる市販機材を対象にハドルテストを実施し、機材間のコヒーレンスを確認した。テストの結果から精度が確保できないと判断された場合には、問題点の洗い出しを行って機材等の改造を複数回行った。その結果、対象とする周波数領域内で十分なコヒーレンスをもつ機材を確保することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深度方向指向性に関する理論および制御可能性について基本的な検討が済み、また実験装置についても所期の性能をもつ機材を確保できた。したがって、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は深度方向指向性の理論検討および制御可能性についての基礎的検討が主体であったため、本年度は理論等にについて、より一般化した検討を実施する。また、導入した機材を用いて観測を行い、実フィールドでの機材の性能確認を行う。
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