2012 Fiscal Year Annual Research Report
素材間連関を考慮した物質循環評価のためのマテリアルフローモデルの構築
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23360404
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 雅彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80282573)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マテリアルフロー / LCA / 物質循環 / シナリオ分析 / 環境政策 / リサイクル / プラスチック / 国際情報交換(台湾) |
Research Abstract |
(1)プラスチックと紙のマテリアルフローモデルの設計と構築:前年度対象とした汎用樹脂以外のプラスチックとしてポリメチルメタクリレート(PMMA)についてフローの調査を行い、モデル化を行った。液晶テレビなどの利用製品別需要量、リサイクルプロセスについて調査を行い、将来の需要量も推定しながら生産可能量やリサイクル可能量、要求品質などを制約として設定できるモデルとした。 (2)プラスチックと紙の素材間連関を含む統合モデルの構築:素材毎のマテリアルフローモデルについて、素材間連関を検討した。特に廃プラスチックと古紙を原料とする廃棄物固形燃料(RPF)を対象に、素材フロー間での結合について現場調査を行い、品質や量の要求事項を整理した。また、プラスチックと紙、あるいは異なるプラスチックという異素材を含む食品容器について、その機能を調査した。これらが定量的に表現できるようなモデルの設計を行った。 (3)マテリアルフローから環境影響等を評価する評価モデルの構築:構築したモデルによって、いくつかのシナリオを適用することによって、各素材のマテリアルフローをその環境影響評価を行った。特に異素材を含む食品容器について、廃棄リサイクル時のシナリオを検討し、ライフサイクルアセスメント手法によって、全体での環境影響を評価した。 (4)ステイクホルダー別の検討シナリオの作成と分析:シナリオ分析の専門家である台湾国立成功大学福島康裕准教授との意見交換を行い、異素材フローを統合的に評価するためのシナリオを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラスチックと紙のフローモデル構築のうち、プラスチックについては計画以上に進展した。紙については、まだ詳細度が十分ではないが、フロー全体を表現するモデル構築が進んでいる。これらを統合するモデルのうち、今年度は結合について具体的な評価手法の検討が進み、いくつかのケースで評価を実施した。 ステイクホルダー別の検討シナリオの作成がやや遅れているが、ステイクホルダーからの情報収集は開始しており、最終的には予定通りの成果が得られると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築した紙、およびポリメタクリル酸メチル(PMMA)、容器包装プラスチックなど素材毎のマテリアルフローモデルについて、素材間連関を組み込み、統合モデルとする。具体的には、包装素材選択における競合や結合、使用済み素材の固形燃料化における結合、包装印刷における溶剤の交差、石油由来の各種素材の資源共有などを例として、これらが定量的に表現できるようなモデルの統合を行う。 これまでに調査した各素材のフローに関与する生産者、消費者、行政、リサイクル事業者などのステイクホルダーの意思決定項目から、それらの選択やフロー量をシナリオとして表現し、環境影響や柔軟性を分析する。シナリオ分析については、台湾国立成功大学福島康裕副教授の協力を得る。これらのシナリオを構築した統合モデルに適用することによって、各素材のマテリアルフローが得られる。既往の素材別のライフサイクルアセスメント手法を調査し、統合することによって、全体での環境影響等を評価するモデルを構築する。
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Research Products
(4 results)