2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速電子のピッチ角制御によるECH方式プラズマ電流立ち上げの改善
Project/Area Number |
23360411
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前川 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90183863)
打田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90322164)
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Keywords | ECH/ECCD / 電流立ち上げ / 磁気面形成 / 電子バーンスタイン波 / 摂動磁場 |
Research Abstract |
ECH/ECCDは電流を運ぶ高速電子が磁場に垂直方向に加速されて捕捉軌道に入る弱点を持つ。 これを改善すべく、 (1)大きな磁場方向屈折率を持つEB波により高速電子に磁場方向運動量を与え (2)多重極磁場により捕捉高速電子の運動に摂動を加えて捕捉軌道から周回軌道に送り込む、 (3)磁気解析と硬X線PHA法により高速電子テイルのピッチ角に関する直接的な情報を得、軟X線真空紫外発光断層像再生により初期磁気面形成やその後のプラズマ断面形状を追跡し電流立上げの改善度を評価する。ことによりこの弱点を補い、ECH/ECCD方式電流立上げの改善を図る。 この方針に従って初年度である平成23年度は、以下の4項目を行い、次年度以降本格的にに行う予定の上記3課題の準備を行った。(1)第一伝播領域のEB波が良好な電流駆動に最も有力なので、トロイダル磁場強度を上げることにより弱磁場側赤道面上でのマイクロ波入射により第一伝播領域のEB波へのモード変換をはかり、成功した。(2)実験装置LATEの外部から~0.5ガウスの磁場が浸入していることを発見した。多重極磁場の効果を明確に得るためには、この浸入磁場を打ち消しておくことが必要である。トロイダルコイルの補強枠に沿うて巻いた6式のループに各々数十アンペアの電流を適宜分流することにより、浸入磁場の打消しをはかり成功した。これに合わせて、多重極磁場コイルの設置も行い完了した。(3)70GHz帯マイクロ波干渉計を増設し、赤道面に沿った水平コードも含め、常時4本の視線に沿った線積分電子密度を得られるように増力した。 (4)径方向AXUVカメラの新設と軟X線真空紫外発光断層像再生システムの整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外部から入射したマイクロ波により第一伝播領域に電子バーンスタイン波(EB波)を励起することができた。これを基盤にして今度は高いN//をもつEB波の励起に進むことができる。多重極摂動磁場実験に関しては、この実験を妨げる浸入磁場の実態を明らかにでき、これをほぼ消去できることに成功し、本実験の環境を整えることができた。干渉計、磁気解析、真空紫外軟X線など計測の整備が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
計画はほぼ予定どうり進んでいる。具体的には今後、(1)下からの直接入射による高N//EB波入射システ(2.45GHz帯)の製作と予備実験、(2)フラックスループ信号を用いた磁気解析と硬X線PHAにより高速電子テイルのピッチ角変化に関する情報を得る手法の開発、(3)多重極磁場印加による初期磁気面形成の改善(4)AXUV像、可視像および磁気面像による磁気面形成過程の追跡、を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2011
Author(s)
T.Maekawa, T.Yoshinaga, H. Tanaka, M.Uchida, F. Watanabe
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Journal Title
Plasma Science and Technology
Volume: Vol.13
Pages: 342-346
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article]2011
Author(s)
M.Uchida,T.Maekawa,H.Tanaka,S.Ide,Y.Tak ase,F.Watanabe, S.Nishi
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Journal Title
Nuclear Fusion
Volume: Vol.51
Pages: 063031(9)
DOI
Peer Reviewed
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