2012 Fiscal Year Annual Research Report
高速電子テイルのピッチ角制御によるECH方式プラズマ電流立上げの改善
Project/Area Number |
23360411
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前川 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90183863)
打田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90322164)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ECH/ECCD / 電子バーンスタイン波 / 無誘導磁気面形成 / 電流立ち上げ |
Research Abstract |
ECH/ECCDは電流を運ぶ高速電子が磁場に垂直に加速されて捕捉軌道に入る弱点を持つ。これを改善すべく、大きな磁場方向屈折率を持つEB波により高速電子に磁場方向運動量を与えることによりこの弱点を補い、ECH/ECCD方式電流立上げの改善を図る。さらに、磁気解析と硬X線PHA法により高速電子テイルのピッチ角に関する直接的な情報を得、軟X線真空紫外と可視領域での発光断層像再生により初期磁気面形成やその後のプラズマ断面形状を追跡し、電流立上げの改善度を評価する。 電磁波モードはN//~0 なのでその共鳴吸収による磁場方向運動量入力は小さく、共鳴電子は磁場にほぼ垂直に加速される。電子バーンスタイン波(EB 波)においてはN//が1を大幅に超えても伝播可能であり、磁力線方向の運動量入力も大きく共鳴電子の加速角度を垂直より大幅に低減できる。EB 波の波長は電子ラーマー半径程度と短いので、屈折率はNp~光速/電子熱速度~100 と非常に大きい。ポロイダル磁場Bp(磁気面の接線方向)とEB 波の屈折率ベクトルNp(UHR 層に垂直、EB 波は後進波でありNp は群速度の向きに逆)のスカラー積により大きなN//が得られる。全体は3年計画で昨年度は2年目であった。初年度において装置外部から~0.6ガウスの不正磁場があることが判明し、新たに補正コイル群を設置し不正磁場を補正して、電流立ち上げ特性の改善をはかった。また高N//EB波入射システムの予備設計、多重極磁場システム、AXUVカメラとその発光断層像再生システムの整備を行った。2年目において、EB波へのモード変換効率を高めるための導波管型偏波器の基本設計、磁気解析による高速電子テイルのピッチ角変化に関する情報を得る手法の開発、AXUV像および磁気面像による磁気面形成過程の追跡、を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目において、EB波へのモード変換効率を高めるための導波管型偏波器の基本設計、磁気解析による高速電子テイルのピッチ角変化に関する情報を得る手法の開発、AXUV像および磁気面像による磁気面形成過程の追跡を行えた。特に、導波管型偏波器を用いたEB波へのモード変換効率を高める手法が有効であることを示す実験結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
以上の成果を踏まえて今後は2.45GHzに較べて波長が短いので空間的制限のある下からの直接入射に適した5GHz電力よる導波管型偏波器付高N//EB波入射システムを製作し実験を行う。加えて、導波管型偏波器を用いた最適偏波法により、より高密度プラズマの生成と加熱・電流駆動をめざす。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2012
Author(s)
T.Maekawa, T.Yoshinaga, M.Uchida, F.Watanabe, H.Tanaka
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Journal Title
Nuclear Fusion
Volume: Vol.52
Pages: 083008(19)
DOI
Peer Reviewed
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