2011 Fiscal Year Annual Research Report
地層処分粘土緩衝材中の物質移行挙動とそれに律速され得る鉄腐食反応に関する研究
Project/Area Number |
23360417
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小崎 完 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60234746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 智 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (40237110)
香西 直文 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (80354877)
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Keywords | 放射性廃棄物処分 / ベントナイト / オーバーパック / 腐食 / 物質移行 |
Research Abstract |
本研究でほ、高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価のための基礎研究として、人工バリアである粘土緩衝材中の鉄材料の腐食挙動を電気化学的手法で検討するとともに、鉄腐食生成物によって変質した粘土緩衝材の透水性能ならびに放射性核種の拡散・収着能を明らかにすることを目的としている。研究初年度の平成23年度は、アクリル製セル中で粘土試料に鉄電極を接触させた実験体系に対して交番電流を印加し、鉄電極の腐食を加速させる実験に着手した。その結果、24時間程度の短時間通電では、電場によるイオンおよび水の移行を抑制しつつ、鉄の平均腐食速度を促進できることを確認した。しかし、粘土中に溶出した鉄量は、実験期間中に通電した総電荷量から算出した鉄量の20%と低い値であった。これは電極表面でのFeイオンの還元反応に起因するものと考えられた。一方、Fe(II)型変質粘土を模擬したCa型粘土試料を用いたSrイオン拡散実験に着手し、見かけの拡散係数の基礎データを収集した。得られた拡散係数はNa型中の値とほぼ同じであった。Fe(II)型粘土試料の透水係数に関しては、塩濃度の影響を明らかにするための透水試験に着手した。実験はFe(II)型粘土試料の酸化を防ぐために、Arガス雰囲気のグローブボックス中で行い、透水液としてNaClあるいはFeCl_2溶液を用いた。前者を用いた実験では実験中にFe(II)型粘土が徐々にNa型に置換する現象を確認した。また後者を用いた実験では、塩濃度の増加に伴う透水係数の増加を明らかにした。なお、分子動力学計算は拡散モデルの基礎的な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
福島第1原子力発電所の事故に関連した緊急の用務などに多くの時間を費やしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の進捗の遅れを取り戻すために、今年度は専門家1名を新たに研究分担者としてメンバーに迎える。
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Research Products
(4 results)