2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアル手法を取り入れた照射環境下での経年劣化現象の解明・評価技術研究
Project/Area Number |
23360418
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
鎌田 康寛 岩手大学, 工学部, 教授 (00294025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 弘昭 岩手大学, 工学部, 准教授 (30344617)
小林 悟 岩手大学, 工学部, 助教 (30396410)
渡辺 英雄 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90212323)
大島 永康 産業技術総合研究所, 計測フロンティア部門, 主任研究員 (00391889)
村上 武 岩手大学, 工学部, 技術職員 (60466513)
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Keywords | 照射損傷 / 非破壊評価 / 磁気特性 |
Research Abstract |
本研究では、原発機器構造物の照射環境下での経年劣化現象の機構解明と非破壊評価技術開発を目指し、高効率・高精度にデータ取得できる"コンビナトリアル型研究"を新しく提案する。初年度は、同時多条件試料の作製が可能な単結晶合金作製装置の開発・導入と、それを活用した準備実験に集中的に取り組んだ。エイコーエンジニアリング(株)と協力し、超高真空3連電子ビーム蒸着装置を開発・導入した。この装置を用いて、MgO(001)基板上に純鉄単結晶薄膜を作製し、また、メタルマスク及びフォトリソ加工を活用し、磁区観察に適した微小磁性体を作製することに成功した。さらにコンビナトリアル型研究の第一歩として、膜厚の異なる微小磁性体を同一基板内に作製することに成功した。磁気光学カー効果顕微鏡を用いて磁場印加下での磁区観察を実施し、磁化挙動の膜厚依存性を明らかにした。一部の試料について、Cu^<2+>イオンの室温照射を実施し、純鉄微小磁性体の磁気特性に与える照射効果について検討した。以前に実施した薄膜照射と同様の結果が得られ、純鉄の場合、磁化過程に顕著な違いが生じないことが確認された。並行して既存の薄膜試料を用いて、Fe-Cr合金の磁気特性に与える照射効果について検討した。475℃でのイオン照射により磁化反転の磁場が増加することを確認し、Fe-Cr二相分離の照射促進現象を示唆する結果が得られた。この現象の研究に対し、今後、コンビナトリアル型手法を取り入れ系統的な実験を進めることで、Fe-Cr系での照射効果の詳細が明らかにされると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに、初年度にコンビナトリアル型の単結晶合金作製装置を導入して運転を開始することができ、研究は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に従い、次年度は照射実験のコンビナトリアル化を実施し、その上で具体的な個別課題(Fe-Crの二相分離の照射促進効果など)に関するコンビナトリアル型実験を進める。
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Research Products
(2 results)