2013 Fiscal Year Annual Research Report
三次元位置検出型ガンマ線マイクロカロリメータの開発
Project/Area Number |
23360422
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊豫本 直子 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40508173)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 放射線 / 超伝導材料・素子 / 低温物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロカロリメータは放射線を吸収体で吸収した際の温度変化を温度計で測定することで放射線のエネルギーを計測するエネルギー分散型の放射線検出器であり、本研究ではエネルギーが数百 keVから数 MeVのガンマ線用のマイクロカロリメータの開発を目指す。 平成25年度の研究では、微細加工プロセスにより温度計を製作しそれにガンマ線吸収体を接着することでガンマ線マイクロカロリメータを製作して、それを機械式希釈冷凍機で冷却してCs-137やCo-60からのガンマ線を照射することで性能評価を行った。 0.5 mm×1 mm×1 mmのビスマスまたはスズの吸収体1個に温度計1個を取り付けた1温度計1ピクセル素子では、実測された雑音信号比から推定されるエネルギー分解能は2.6 keVであったが、662 keVのガンマ線に対して得られたエネルギー分解能は4.1 keVだった。この差は冷凍機の温度安定性が不十分であったことが原因であり、温度安定性の改善により解消できると考えられる。また冷凍機の冷却能力に問題があったため、確実に冷却できる温度として温度計の動作温度を190 mK程度としたが、本来の設計通りにTES温度計の動作温度を100 mKとできれば、エネルギー分解能をさらに5倍程度改善できると考えられる。 また0.5 mm×0.5 mm×5 mmの細長い吸収体の両端に温度計を1つずつ取り付けた位置検出型の2温度計1ピクセル素子を製作して、上述の1温度計1ピクセル素子とあわせて3温度計2ピクセル素子として機械式希釈冷凍機で冷却した。2温度計1ピクセル素子でも662 keVのガンマ線による信号を検出したが、位置検出を行うには動作温度を下げるとともに雑音を減らす必要があることがわかった。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|