2011 Fiscal Year Annual Research Report
核燃料酸化物における酸素不定比に起因する欠陥構造の解明
Project/Area Number |
23360431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
逢坂 正彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター 福島燃料材料試験部, 主任研究員 (10421471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勇 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター 福島燃料材料試験部, 副主任研究員 (80421783)
三輪 周平 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター 福島燃料材料試験部, 研究員 (50421780)
陳 迎 東北大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40372403)
井川 直樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 主任研究員 (60354833)
田口 富嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 副主任研究員 (50354832)
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Keywords | 酸化物核燃料 / 酸素不定比 / 中性子回折 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
固相反応法により、セリアをベースとした固溶体(Ce,Gd)O2-x及び(Ce,Nd)O2-xを調製した。セリアに希土類酸化物を加えて混合粉砕した粉末を加圧成型し、1,300℃-計10時間の熱処理を行った。熱処理した試料は再度粉砕・混合・成型して熱処理を計3回行うことにより固相反応を促進させた。調製した(Ce,RE)O2-x試料の酸素不定比を調整するために、H2O/H2ガス平衡により酸素ポテンシャルを精密に制御したガスを供給する装置を熱重量分析装置に接続し、所定の酸素不定比が得られるようにセットアップした。また、系統的な測定データを用いた化学熱力学手法によるモデル化に向けて、最新の手法であるCompound energy formalism法等の調査を行った。 調製した(Ce,Gd)O2-x及び(Ce,Nd)O2-x試料については、X線回折測定装置により結晶構造解析を行った。その結果、Gd及びNdがCeの原子サイトを置換する型の蛍石構造であることが明らかとなった。また、高精度な酸素不定比調整に係わるデータを得るため、XRD用の高感度センサーを既存のXRD装置に装着して調製した試料の測定を行うことにより、希土類の添加率が欠陥構造へ与える影響を中性子回折測定と合わせて評価するための測定・評価条件を確認した。 第一原理計算による欠陥構造評価のために、大型計算機による計算環境を整備し、欠陥構造を仮定して(Ce,RE)O2±xの第一原理計算を行い、系の安定性等を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用予定であった中性子回折測定装置等の震災によるダメージからの復旧、並びに、装置・インフラ等を含めた研究基盤の当初計画どおりの復旧が予定通り進まなかったこと、及び使用予定であった小型計算機が施設の都合により使用できず代替の計算環境を整備するために時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
装置・インフラ含めた研究基盤については平成23年度中にほぼ復旧または整備されたことを受けて、研究を加速し、今年度の遅延を取り戻す予定である。 さらに、中性子回折測定装置再稼働のさらなる遅延までもカバーするための代替手法(XRD用高感度センサーの整備や代替測定場所の確保等)の検討等の対策を施すことにより、不測の事態に備える。
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