2012 Fiscal Year Annual Research Report
三次元電極構造を用いた高出力・大容量の燃料電池・電池システムの開発
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23360434
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 敦司 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00188591)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エネルギー生成・変換 / 燃料電池 / 二次電池 / Fuel Cell /Battery |
Research Abstract |
大容量電力貯蔵及び高効率発電が同時にできる燃料電池・蓄電池(Fuel Cell/Battery:FCB)システムを開発することを目的とし、電気化学的にまた化学的にも酸化還元することができるMnO2を用いたカソードの構造制御を行い高比表面積をもつカソードを作成し、電極特性を調べた。カソードはファイバー状電極と波状電極の異なる2種類の電極を作成し、その性能を調べた。 ファイバー状電極は、カーボンファイバーにNiをコーティングした上にMnO2を電解析出させて作成した。と、繰り返し充放電を行っても劣化がみられなかった。MnO2の厚さをpHを調整することで制御でき、0.1μmでは、5000C充放電が可能だが、大きな自己放電を示し、1.0μmでは100C充放電が可能だが、完全なプラトー部が見られなかった。また、2.0μmでは、5C充放電が可能であることが分かった。しかし、酸素によるガス充電はできなかった。 一方、テンプレート法を用いて、波状でポーラスなカソードを作った。その結果、繰り返し充放電に優れた電極を合成できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全電池化、モジュール化はできていないが、カソードに関して、MEMS技術を応用して高比表面積の波状カソードを試作し、100C充放電が可能であることを見いだした。これは、1分以内で充電・放電できることを意味し、急速充電可能で、大出力の電池ができることを意味し、画期的な成果である。ただし、電気充放電のみで、酸素ガスによるガス充電はまだ充電速度が十分ではなく、カソードにおけるガス充電速度を向上させることが今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
カソードの酸素ガス充電速度を向上させて、高速ガス充電を可能にするため、酸素を電解液に溶存させ、これでカソードのMnOOHを酸化させるガス充電を試みる。そこで、昨年に引き続き、逆均一沈殿法で作製したNiドープMnO2粒子を、平板集電体にコーティングして溶存酸素用FCBカソード電極を作成すし、これを高圧容器にカソード半電池を入れ、高圧酸素で電解液に酸素を溶存させ、電極特性を測定する。溶存酸素濃度を測定し、溶存酸素によるMnOOHの酸素充電を検討する。さらに、NEMSで作成した波状電極も同様に溶存酸素によるガス充電を試み、電気充放電のみならずガス充電も可能なFCBシステムを構築する。
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Research Products
(2 results)