2014 Fiscal Year Annual Research Report
花粉の表層構造エキシンおよびポレンコートの形成機構と受粉過程における機能の解析
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23370018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 澄衛 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (50260039)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / 花粉 / エキシン / 突然変異体 / 放射線照射 / 高速シーケンサー / アラビノガラクタン / ペクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
1. エキシン形成におけるアラビノガラクタンの機能 エキシンが異常に薄くなるkns4突然変異体とその原因遺伝子KNS4について解析を進めた。まずKNS4がアラビノガラクタン生合成酵素であることを実験的に確認した。次に、葯におけるアラビノガラクタンの分布を特異抗体を用いて調べた。その結果、プライムエキシン層(小胞子の表層に形成されるマトリクス層でその中でエキシンが発達する)に多く含まれていることがわかった。このことはkns4のプライムエキシン層が野生型よりも著しく薄いことをよく説明する。さらにkns4のプライムエキシン層ではペクチンも減少していた。KNS4はタペート細胞で発現していた。以上より、タペート細胞で作られたアラビノガラクタンが小胞子の表面に運ばれ、ペクチンとともに十分な厚さのプライムエキシン層を形成することが、正常なエキシンの形成に必要であると結論した。 2. 高速シーケンサを用いたkns突然変異体の原因遺伝子の同定。 ガンマ線や速中性子線を変異原として用いた場合は主に欠失が生じると言われている。遺伝子を破壊する程度が塩基置換よりも大きいため表現型の明瞭な変異アリルの取得が期待できる反面、高速シーケンサを用いたリシーケンスで欠失を検出するのは容易でないため、実施例は少なかった。そこで、今年度はガンマ線および速中性子線で誘導された4個のkns突然変異体についてリシーケンスを行い、原因遺伝子の同定を試みるとともに、欠失を検出するプログラムの開発に資するデータを取得することにした。ラフマッピングであらかじめ推定されていた付近の塩基配列を精査した結果、全ての変異体で欠失が検出され、欠失の長さは4 bp、86 bp、10 kb、および16 kbであった。候補遺伝子について遺伝子破壊株を取り寄せて表現型を観察し、最終的に4個全ての原因遺伝子を同定することができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Wound-induced expression of DEFECTIVE IN ANTHER DEHISCENCE1 and DAD1-like lipase genes is mediated by both CORONATINE INSENSITIVE1-dependent and independent pathways in Arabidopsis thaliana.2014
Author(s)
Rudus I, Terai H, Shimizu T, Kojima H, Hattori K, Nishimori Y, Tsukagoshi H, Kamiya Y, Seo M, Nakamura K, Kepczynski J, Ishiguro S.
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Journal Title
Plant Cell Reports
Volume: 33
Pages: 849-860
DOI
Peer Reviewed
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