2011 Fiscal Year Annual Research Report
卵成熟におけるコード領域及び微小繊維依存性サイクリンB1翻訳制御の分子機構解析
Project/Area Number |
23370027
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山下 正兼 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30202378)
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Keywords | 翻訳制御 / ゼブラフィッシュ / 微小繊維 / 卵母細胞 / サイクリンB1 / 減数分裂 |
Research Abstract |
本研究では翻訳の部位と時期をリアルタイムで検出できるトランスジェニックゼブラフィッシュを用い、卵成熟過程におけるサイクリンB1 mRNAの部位及び時期特異的翻訳制御機構を解析した。 1、部位及び時期特異的翻訳制御におけるPumilioとCPEBの機能 PumilioとCPEBの結合配列に変異を持つレポーターmRNAを解析した結果、PumilioとCPEBはそれぞれ独立に、サイクリンB1 mRNAの翻訳開始時期に影響を与える事を発見した。また、これら結合配列の変異はmRNAの不安定化を誘導し、mRNAの凝集体形成を阻害した。 2、部位及び時期特異的翻訳に関わる新規蛋白質の同定 サイクリンB1 mRNA凝集体に存在するLatrophilin-2 precursor (L2P)、Serum amyloid p-component (SAPC)、Novel rhamose-binding lectin (RBL)を解析した。SAPCの強制発現で卵成熟に遅れが見られたが、L2PとRBLの強制発現は影響がなかった。SAPCは細胞内局在が観察されたが、L2PとRBLは蛋白質自体を検出できなかった。 3、翻訳制御に関わるORFのシス配列とトランス因子の同定 サイクリンB1 mRNAの細胞内局在と翻訳開始時期の決定に関わるシス配列を調べるため、ORFを3領域に分けたレポーターを解析した。その結果、ORFの524から736番目の塩基中に、mRNAの局在及び翻訳制御を担う配列が存在する事を示唆する結果が得られた。この配列を持たないレポーターmRNAは局在を示さず、翻訳開始時期も早くなった。 4、部位及び時期特異的翻訳制御における微小繊維の機能 微小繊維依存性の翻訳制御の詳細を明らかにするため、mRNAと微小繊維を同時に可視化できるトランスジェニックゼブラフィッシュを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた4つの研究のうち、「1、部位及び時期特異的翻訳制御におけるPumilioとCPEBの機能」については当初の目的を達成、「2、部位及び時期特異的翻訳に関わる新規蛋白質の同定」は計画どおりに進行、「3、翻訳制御に関わるORFのシス配列とトランス因子の同定」は計画以上に進展している。一方、「4、部位及び時期特異的翻訳制御における微小繊維の機能」で、トランスジェニックゼブラフィッシュの作成に遅れが見られる。
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Strategy for Future Research Activity |
「1、部位及び時期特異的翻訳制御におけるPumilioとCPEBの機能」については目的を達成したので、本年度で終了する。「2、部位及び時期特異的翻訳に関わる新規蛋白質の同定」については、L2PとRBLは卵成熟に関与する可能性は少ないと結論されたため、今後はSAPCに焦点を絞って研究する。「3、翻訳制御に関わるORFのシス配列とトランス因子の同定」については、ORF上のシス配列の同定に焦点を絞る。「4、部位及び時期特異的翻訳制御における微小繊維の機能」については、mRNAと微小繊維を同時に可視化するトランスジェニックゼブラフィッシュの作成を急ぐ。特にBACトランスジェニック法に技術的困難が伴っているため、本技術の改良を目指す。
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