2011 Fiscal Year Annual Research Report
深海性化学合成群集に生息する貝類の多様性・系統・生物地理
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23370040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 猛智 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (70313195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 茂明 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (20242175)
藤倉 克則 独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物圏領域, 研究員 (10344293)
狩野 泰則 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (20381056)
渡部 裕美 独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物圏領域, 研究員 (50447380)
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Keywords | 化学合成群集 |
Research Abstract |
日本各地の深海性化学合成群集から得られた貝類の分類学的再検討および分子系統解析による地域集団の遺伝的関係を検討した。沖縄トラフのハイカブリニナ類は貝殻の形態形質の比較と形態測定によりサガミハイカブリニナとは異なる4新種に分類される。それらは分子系統解析によっても独立のクレードになり分化が支持された。また、分岐年代の推定値から沖縄トラフの形成前に分化していたことが示唆された。一方、フネカサガイ類は、形態形質、特に歯舌の形態から全てキノミフネカサガイに同定され、フネカサガイは再発見されなかった。分子系統解析の結果から沖縄トラフのキノミフネカサガイには地域的な分化が生じていないことが推定された。その他、シロウリガイ類の生息環境、新種のシロウリガイ、シロウリガイ類に共生するウロコムシ類について報告した。網走沖で採集されたシロウリガイ類の1種は日本新記録の種であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分類学的再検討、分子系統解析ともに計画通りの成果を得ることができており、一部は既に論文として公表し、さらに投稿を準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は総括の年であり、オリジナルデータの公表に重点を置くと共に、必要に応じて追加のデータも取得する。さらに、総説論文の作成に向けた準備を行う。
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Research Products
(6 results)