2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代大量ミトゲノム解析による魚類多様性研究の新展開:サンガー法から超並列法へ
Project/Area Number |
23370041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 睦 東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (90136896)
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Keywords | 進化 / 集団・種多様性 / 遺伝的多様性 |
Research Abstract |
我々はミトコンドリア全ゲノム(ミトゲノム)分析によって大規模系統研究を開拓・推進し、魚類の包括的系統枠の概要を明らかにすることに成功した。次のステップとして、分析種数を飛躍的に多くして系統樹の密度を高めることにより、多様化の理解を格段に高める必要性が出てきた。幸い、著しく高速の超並列次世代シーケンス技術が近年実用化されるに至っている。しかし、多数の試料について、ミトゲノムのシーケンシングに次世代シーケンサーを効率的に活用するには、まだ大きな困難がある。とくに、希少種も含む多数の種のDNAを扱うため、必然的に質の良くないDNA試料も頻繁に対象にしなくてはならず、新たな次世代シーケンサーが有効に活用できない状況にある。そこで本研究では、この困難を、ミトゲノム断片を濃縮する技術の適用を突破口にして解決し、魚類の大規模系統研究の飛躍的高密度化への道を切り拓くことを目的とする。 前述した目的を達成するための鍵は、断片化の進んだ質の良くない種々のDNA試料からでも、ミトコンドリアゲノム断片を効率的に濃縮する技術を開発することである。それに成功して汎用性の広い濃縮法が開発できれば、魚類の大規模高密度系統研究に次世代シーケンス技術を本格的に活用することが可能となるからである。したがって初年度には、化石霊長類由来のDNA試料などからミトコンドリアゲノム断片が成功裏に濃縮されたという報告のあるCapture-on-beads法について、これを我々が対象とする魚類試料へ適用するための実験条件の検討を行ない、本格的分析を実施するための基礎的条件をかなり明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初より計画していた通り、Capture-on-beads法を魚類試料へ適用するための実験条件をかなり明らかにすることができたため、「おおむね順調に進展している」と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はさらにCapture-on-beads法の改良を進め、この段階での完成を図る。この手法のさらなる改良の一つのポイントは、ミトコンドリアゲノム断片のインデクス化(タグ付加)をいかに効率化するかであるが、新たに報告されたDouble indexing法はその有力な候補であり、これの導入を含めた改善に努める。また、改良したシステムでの試薬の濃度や反応時間などの基本的実験条件についてさらに検討を進めて本格大量分析の基礎を構築する。
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[Journal Article] Correlation of accumulated mRNA levels of growth hormone, growth hormone receptor I and insulin-like growth factor I with the larval body size of F2 offspring derived from a fast-growing strain and wild fish of torafugu Takifugu rubripes2011
Author(s)
Kaneko, G., S.Furukawa, Y.Kurosu, T.Yamada, H.Takeshima, M.Nishida, T.Mitsuboshi, T.Otaka, K.hirasu, T.Koda, Y.Takemasa, S.Aki, T.Mochizuki, H.Fukushima, Y.Fukuda, S.Kinoshita, S.Asakawa, S.Watabe
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Journal Title
Journal of Fish Biology
Volume: 79
Pages: 854-874
Peer Reviewed
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