2013 Fiscal Year Annual Research Report
パルマ藻と原始型中心珪藻との比較による珪藻の進化機構の探究
Project/Area Number |
23370046
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
桑田 晃 独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所, 主任研究員 (40371794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 健 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20333594)
吉川 伸哉 福井県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20405070)
佐藤 直樹 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (40154075)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 藻類 / 進化 / 珪藻 / 海洋生物学 / ゲノム / パルマ藻 / プランクトン |
Research Abstract |
シリカの殻を持ち珪藻に極近縁のパルマ藻は、珪藻の繁栄機構と進化過程を解明する上で格好の対照生物である。本研究では、生態学・生理学・藻類学・ゲノミクス・生物地球化学からパルマ藻の多面的な解明を目的とし、本年度は以下の点を明かにした。 パルマ藻・ボリド藻・珪藻間の系統関係: パルマ藻と珪藻の姉妹群のボリド藻との複数株間での分子系統解析により、パルマ藻とボリド藻は同じクレードを形成し珪藻の姉妹群であること。さらにパルマ藻の葉緑体とミトコンドリアのゲノムの解読により、各ゲノムの遺伝子が珪藻の遺伝子と非常に相同性が高く、各ゲノム構造も珪藻と酷似することを明らかにした。 個体群動態: 亜寒帯でパルマ藻は、主に冬から春の低水温期に有光層中で増殖し個体群を拡大すること。夏から秋にかけ成層化により表層水温が増殖不可能な15℃を越えると、表層から消失し水温15℃以下の水温躍層下の亜表層で生残すること。秋から冬にかけ水が混合し低水温期に入ると再び増殖を開始することをフィールド調査により明らかにした。 シリカの殻形成機構: パルマ藻は珪藻と異なり、シリカ欠乏下でも無殻の細胞のまま増殖でき、珪酸塩存在下でシリカの殻を形成すること。細胞内部で形成されたシリカのプレートが細胞外に送り出され、細胞表面で規則正しく配置され特徴的なシリカの殻が形成されることを培養実験により明らかにした。 生活史: パルマ藻は、シリカの殻を持つ通常のステージとボリド藻に類似した鞭毛細胞ステージを生活史に持つことを培養実験により明らかにした。この生活史はシリカの殻のステージと鞭毛ステージ両者を持つ点で、原始的珪藻である中心珪藻の生活史と類似性を持つ。 バイオマーカー: パルマ藻は原始的な中心珪藻と共通の脂質バイオマーカーを持つ一方、比較的高分子量のパルマ藻固有の脂質バイオマーカーを持つことを生物地球化学的解析により明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] Sequence and analysis of the chloroplast and mitochondrial complete genomes of the parmales Triparma laevis2013
Author(s)
Tajima N, Saito K, Sato, S, Maruyama F, Ichinomiya M, Yoshikawa Y, Kurokawa K, Ohta H, Tabata S, Kuwata A, Sato N
Organizer
12th International Colloquium on Endocytobiology and Symbiosis
Place of Presentation
Dalhousie University, Halifax, Canada
Year and Date
20130818-20130821
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