2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23370056
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
河野 俊之 北里大学, 医学部, 講師 (40416657)
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Keywords | 生体高分子 / NMR / タンパク質 / 安定同位体標識 / 微量解析 / 無細胞タンパク質合成 |
Research Abstract |
タンパク質NMR解析を、1mg以下かつ10μM以下の濃度で可能にするために、我々が開発してきたMAGICAL法をさらに発展させるとともに、ピンポイントの安定同位体標識技術の開発を試みた。今年度は、以下のような研究成果が得られた。 (1)MAGICAL法におけるパルスプログラムの改良 我々が開発したMAGICAL法は、特殊な安定同位体標識を20通り行ったタンパク質試料を無細胞タンパク質合成系により調製し、2次元HN(CO)/HN(CA)/H(N)CA/H(NCO)CA/H(N)CO/H(NCA)COを測定することで従来法に必要な濃度の1/10程度の低濃度の試料を用いて、より高分子量のタンパク質NMRシグナルを簡便に帰属可能な方法である。本年度は、このMAGICAL法において、より高感度に測定ができるように各種測定プログラムの改良を行い、測定感度を30%程度向上させることができた。 (2)ピンポイント安定同位体標識技術の開発 アミノ酸残基番号選択的な安定同位体標識方法の創製のために、タンパク質合成系において、メジャーコドンとマイナーコドンの切り分ける技術を開発している。本年度はこの目的のために必要な無細胞タンパク質合成系に使用する、大腸菌の各種アミノアシルtRNA合成酵素遺伝子、tRNA遺伝子およびtRNA修飾酵素遺伝子のクローニングを行い、ほぼ全ての対象遺伝子のクローニングと大量発現系構築を完了した。そして、メジャーコドンとマイナーコドンの切り分けの最初のターゲットであるロイシルtRNA合成酵素、イソロイシルtRNA合成酵素、メチオニルtRNA合成酵素については、大量培養および高純度精製を開始した。 本研究が進めば、従来のNMR解析方法に必要であったタンパク質濃度の1/100以下の濃度でシグナル帰属解析が可能になり、様々な分野への貢献が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した実験計画はほぼ達成できているので、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ピンポイント安定同位体標識方法の開発については、タンパク質と薬剤の相互作用の解析などを念頭に置き、結合表面における疎水性相互作用に重要と考えられる、ロイシン、イソロイシン、メチオニンなどの疎水性アミノ酸のアミノ酸残基番号選択的標識方法の開発を先行させていきたいと考えている。
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