2011 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンホスファターゼによる生体機能制御とその作用機構に関する統合的研究
Project/Area Number |
23370061
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
的崎 尚 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80252782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 浩史 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (70334125)
|
Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 蛋白質 / 脳・神経 / 免疫学 |
Research Abstract |
本研究においては、研究代表者が独自に見出したチロシンホスファターゼ(PTP)であるSHP-2とその関連分子により構成されるシグナル系(CD47-SIRPα系)、およびR3受容体型PTPの生理機能とその作用機構に関して、従来得られた知見を基盤とし、さらに詳細かつ統合的な解析を行うことにより、PTPによる生体機能制御とPTPの病態への関わりにつきより深い理解を得ることを目的とする。今年度の成果を、以下に列記する。 (1)CD47-SIRPα系ならびにSHP-2による中枢神経系の制御について、SHP-2-fioxマウスとCAMKII-Creトランスジェニックマウスの交配により、SHP-2の前脳特異的な遺伝子ノックアウト(KO)マウスを作製しその表現型を解析した。その結果、特徴的な行動異常がみられると共に、いくつかの神経特異的な遺伝子発現に変化が観察された。 (2)CD47-SIRPα系による免疫系の制御に関して、SIRPα-fioxマウスとCDllc-Creトランスジェニックマウスとの交配により樹状細胞(DC)特異的SIRPαKOマウスを作製し、その表現型を解析した。その結果、conventionalDCの特有の分画における変化を認めた。また、LysM-Creマウスとの交配によりマクロファージ特異的SIRPαKOマウスを作製し、その解析を進めている。 (3)R3受容体型PTPに関しては、SAP-1の基質分子pp90の機能を明らかにする目的で、pp90の腸上皮細胞特異的トランスジェニックマウスを作製し解析を開始した。また、VE-PTPのシェアストレス(SS)による血管内皮細胞制御において、SSによる細胞骨格制御にVE-PTPが関与する可能性があることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、種々の遺伝子変異マウスの作製と解析が順調に進行しており、上記のように判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
作製した種々の遺伝子変異マウスの解析を継続して行うと共に、これらのマウスより得られた材料を用いて、計画に従い細胞レベルや分子レベルでの解析を行う予定である。
|
Research Products
(17 results)