2013 Fiscal Year Annual Research Report
新合成不良蛋白質のサーベイランスと選択的分解の意義
Project/Area Number |
23370063
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川原 裕之 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (70291151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 直人 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (40610564)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | BAT3 / BAG6 / Scythe / ユビキチン / プロテアソーム |
Research Abstract |
BAG6は、ヒトMHC(主要組織適合抗原複合体)遺伝子座にコードされるユビキチン様タンパク質である。その機能は長らく不明であったが、我々は最近、BAG6が不良構造をもつタンパク質の疎水性領域を認識し、これらをプロテアソーム依存的分解系へ輸送する新因子であることを見いだした。BAG6の主な顧客はリボソームから放出された直後の新合成ポリペプチドであり、BAG6はそれらの凝集を防ぎつつ、代謝的安定性を規定する。BAG6は細胞内で複合体を形成して機能する。最近、BAG6会合タンパク質群の全貌が浮かび上がりつつある。これらBAG6会合タンパク質の一部には、膜タンパク質のアッセンブリに必要な因子として酵母で遺伝学的に同定されたものを含んでいる。BAG6複合体が、新合成タンパク質の正常なアッセンブリを促すと同時に、正常な構造をとり損なった場合の分解系への誘導、および凝集体の形成防止に機能している可能性が、現在、浮かび上がりつつある。 本研究において、BAG6が「新合成不良タンパク質」を認識するために必要なドメインを絞り込みをほぼ完了した。さらに、BAG6が基質を適切に処理するために必要なパートナー分子を質量分析の手法で100種類以上同定した。これらのうちの代表的なものをピックアップして、遺伝子発現の抑圧実験などを行ったところ、新合成不良タンパク質代謝が安定化することを新しく発見した。また、これまで知られていたBAG6の標的蛋白質群である「新合成不良タンパク質」に加えて、膜蛋白質のアッセンブリと品質管理にBAG6が必須の役割を果たす事を初めて解明した。抗原提示されるモデル膜タンパク質として新しくIL-2レセプターを取り上げ、抗原提示の定量的評価系の作出も進めた。以上の成果は、当初我々が想定したものを大きく超えており、充分な成果を挙げられたものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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