2013 Fiscal Year Annual Research Report
巨大モーター蛋白質ダイニンのX線結晶構造解析による作動機構の解明
Project/Area Number |
23370073
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
昆 隆英 法政大学, 生命科学部, 教授 (30332620)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 分子モーター / ナノマシン / 生物物理 / 酵素反応 / ナノバイオ / 蛋白質 |
Research Abstract |
「ダイニン」は,ATP加水分解で得られたエネルギーを利用して微小管上を滑り運動する巨大モーター蛋白質複合体である.私たちの細胞内では,細胞内物質輸送,細胞分裂,細胞移動,鞭毛・繊毛運動など生命活動に必須な細胞運動を駆動しているが,その運動のしくみはいまだ謎に包まれている. 本研究では,X線単結晶構造解析を中心とした構造生物学的アプローチによりダイニン分子の構造を原子分解能 (3.5Å分解能) で決定し,運動メカニズムの構造的基盤を明らかにすることを重点目標としている. ダイニン分子の最初の原子構造については,昨年度の研究により,「力発生後」状態の構造解析を達成し,各アミノ酸残基レベルでその構造を決定することに成功している.本年度の研究では,次の重要課題である,ダイニン力発生過程の他の中間状態の構造解析に取り組んだ.特に「力発生前」の構造を明らかにすることが重要であるため,この中間状態を安定にトラップできる条件を集中的に検討した.その結果,力発生前状態をトラップするために過去30年以上にわたって用いられてきた方法は,結晶化のような蛋白質高濃度かつ長時間トラップを要する条件には適用できないことが明らかになった.今後は,変異体とヌクレオチドアナログを組み合わせるなど新たなトラッピング法を開発し,「力発生前」状態を確実に捉える条件を見出すことが必要であろう. また,ダイニンの力を生み出す構造変化を捉えるもう一つのアプローチとして,分子動力学シミュレーションによる初期検討を行った.本アプローチは,本研究で決定したダイニンの結晶構造に基づき,中村研究室(大阪大学蛋白質研究所)との共同研究により遂行したものである.その結果,ダイニンの力発生に重要だと考えられるサブドメインの構造変化について予備的な知見が得られた(International workshop Dynein2013 発表).
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)