2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の運動性を制御するシグナル伝達ネットワークの解明
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23370085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 裕教 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (50303847)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 癌 / 脳・神経 |
Research Abstract |
細胞運動は様々な疾患と深く関連があるため、細胞の運動性をコントロールする仕組みを解明し、その仕組みに関わる分子をターゲットとした治療法を確立することが重要であると考えられる。本研究では、細胞の運動性に関わるシグナル伝達経路において中心的な役割を担っているRhoファミリーの低分子量G蛋白質とその関連分子群に着目し、今年度は以下の3点の成果があった。 1)Rac特異的活性化因子Dock4は、以前の我々の研究において乳がん細胞における運動性や浸潤性の促進に深く関わっていることが明らかになっている。ところが、がん細胞におけるDock4の活性制御の分子メカニズムについては不明であった。本研究ではDock4の新たな結合タンパク質として、リン脂質結合タンパクSH3YL1を同定した。SH3YL1がDock4に結合することによって、Dock4によるRacの活性化、及びがん細胞の運動性促進作用を正に制御していることが明らかになった。従って、SH3YL1がDock4によるがん細胞の運動性制御に重要であり、がんの浸潤・転移につながる機能の発揮に重要な役割を果たすことが考えられる。 2)Rho ファミリー G タンパク質活性制御因子の1つ、Ephexin4 の新たな結合タンパク質として Scribble を同定し、その結合を in vitro や細胞内の免疫沈降の系において確認した。さらにEphexin4による細胞運動性の促進作用に対してScribbleが負の制御していることを新たに見いだした。 3)誘導因子エフリンの受容体ファミリーの1つEphA2は、特に浸潤性の高い乳がん細胞において過剰な発現が確認され、がん細胞の運動性・浸潤性と深い関わりがあると報告されている。このEphA2が別のエフリン受容体EphB6と細胞外で結合し、その機能が負に制御されていることを新たに見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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