2013 Fiscal Year Annual Research Report
後期エンドソームリン酸化シグナルによる細胞機能制御
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23370087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
名田 茂之 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (50291448)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メンブレントラフィック / リソソーム / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
平成25年度の研究では、まず後期エンドソームを部分精製し、p18ノックアウト細胞と正常細胞の間での後期エンドソーム構成タンパク質の違いをSILAC法により調べた。密度勾配遠心による後期エンドソーム分画により、p18ノックアウト細胞と正常細胞での後期エンドソーム画分をそれぞれ分離することができたが、p18ノックアウト細胞では正常細胞と比べて後期エンドソーム径が小さく、そのため後期エンドソームそのものが正常細胞とは異なる密度画分に分布する傾向が見られた。同一の画分についてのSILACの結果、複数の代謝系酵素の存在量の違いを確認できたが、p18ノックアウト細胞で見られるような後期エンドソーム形成にかかわると考えられるタンパク質については明確な候補が見つからなかった。 次に、p18と会合するタンパク質との相互作用部位についての解析を行った。p18の部分欠損、あるいは点変異導入により、p18全長のうちC末側の75%の領域についてほぼすべてのアミノ酸残基のタンパク質相互作用機能を詳細に調べた。その結果、代表的なp18結合タンパク質であるp14、MP1についてそれぞれの結合部位の同定が大きく進んだ。またその他のp18結合タンパク質についても部位の同定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画として挙げた3つのテーマのうち、SILACによるタンパク質検索については予定の実験を終えたが、残念ながら新規タンパク質の発見には至らなかった。p18結合様式の解析については想定より大量の変異体作製を行うこととなったため時間がかかったものの、より詳細な結合様式の観察が可能となり現在もその解析を進めている。リソソームMAPK経路の機能についてはp18結合欠損体の準備が年度中には間に合わなかったが、替わりにMAPK経路の必須コンポーネントを欠損させた細胞を作製した。これを材料とした解析を準備している。
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Strategy for Future Research Activity |
当研究の研究期間はあとH26年度のみで、その期間中にp18結合タンパク質とp18と相互作用については分子レベルでの全容の解明を目指す。並行してp18の生理機能を観察するためのコンディショナルノックアウトマウスも作製を進め、今後の進展のための足掛かりとする。
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