2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23370092
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
石井 泰雄 京都産業大学, 総合生命科学部, 研究助教 (20582430)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 心臓 / 冠動脈 / 鳥類胚 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓に冠動脈が発生するためには、心臓表面を覆う心外膜が必須である。しかし、心外膜がどのような因子の制御のもとでどのような役割を果たしているかは、現在のところよくわかっていない。冠動脈をもたないアフリカツメガエルの心臓では、心外膜と心筋の間に分布する結合組織がきわめて少ない。鳥類ではこの結合組織は、心外膜の細胞の一部が心臓表面を離れて心壁内部に向かってもぐり込むことによって生じる。われわれはこの結合組織の形成と冠動脈発生の間の関係を調べるため遺伝子導入実験を行った。培養した心外膜細胞に特定の成長因子を添加すると、シート状だった細胞が解離し、間充織様の形態を示すようになる。われわれはそのような作用をもつことが知られる7種類の成長因子遺伝子(Vegf-A, Vegf-C, Vegf-D、Fgf2、Pdgf-B, Tgf-b1, Tgf-b2)を、それぞれTol2トランスポゾンベクターに挿入し、in ovoリポフェクション法を用いてニワトリ胚およびウズラ胚の心外膜前駆体に導入し、冠動脈が発生する時期まで強制的かつ継続的に発現させた。テストした遺伝子の中でVegf-Aが心外膜細胞の間充織転換を促進する明瞭な活性を示した。Vegf-Aを強制発現させた領域では、心外膜下の結合組織が増大し、しばしば明瞭な隆起を生じた。これらの隆起の内部には腔所が見られ、その腔所は冠動脈と同様、ephrinB1陽性の動脈内皮とカルデスモン陽性の平滑筋によって囲まれていた。Vegf-A遺伝子が導入された細胞自身は内皮や平滑筋にほとんど寄与せず、異所的な血管様構造の近傍に結合組織様の細胞集団を形成した。なお心筋でVegf-Aを強制発現させた場合には、上記の影響は認められなかった。心外膜由来の細胞が、VEGF-Aの存在下で冠動脈形成をサポートする周囲環境を提供している可能性が考えられる。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|