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2012 Fiscal Year Annual Research Report

核マトリクス・ノンコーディングRNA複合体によるエピジェネティックな発現制御解析

Research Project

Project/Area Number 23370093
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

中川 真一  独立行政法人理化学研究所, 中川RNA生物学研究室, 准主任研究員 (50324679)

Project Period (FY) 2011-04-01 – 2014-03-31
KeywordsノンコーディングRNA / 核マトリクス / hnRNP U
Research Abstract

昨年度までの研究において、核マトリクスタンパク質であるhnRNP Uをノックダウンした細胞では、相同染色体上の対立遺伝子の発現(ゲノムインプリンティングによる制御を受ける遺伝子発現)が影響を受けることが明らかとなっていた。つまり、通常では母方由来の染色体から発現しないような遺伝子が、hnRNP Uをノックダウンした細胞においては、父方由来の染色体からもある程度発現するようになった。今年度はこの知見をさらに広げるため、より多くの候補遺伝子についてアリル特異的な発現の変化がhnRNP Uのノックダウンによって見られるかどうかについて検証を行った。その結果、複数の遺伝子で同様の効果が見られる事が確認できた。また、繰越金を用いた研究により、従来は染色体上に一様に結合していると考えられていたhnRNP Uが、ゲノムインプリンティングを受けるような領域においては、発現抑制されている方の相同染色体により多く結合しているという予備的な結果が得られていた。この解析ををさらに多くの遺伝子座についておこない、AirnやKncq1ot1など、ゲノムインプリンティングを制御する長鎖ノンコーディングRNAが父方もしくは母方から発現いる場合にはhnRNP Uのアリル特異的な結合が見られる事が一般的な現象である事が分かりつつある。また、核内に局在するノンコーディングRNAであるMalat1のノックアウトについても解析を行い、これらの変異マウスが外見上大きな以上を示さない事、しかしながら遺伝子座で隣に位置する別の核内ノンコーディングRNA Neat1の発現が特定の細胞で低下しており、それに伴ってNeat1が骨格成分として働いている核内構造体パラスペックルの数や大きさが減少している事が明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

核マトリクス成分であるhnRNP Uの機能解析は順調に進んでいる。これまでhnRNP Uはゲノム上の特定の領域(特にマトリクス結合領域と呼ばれる領域)に結合する事は示されていたが、同じ配列を持つ相同染色体間で異なる結合をしているという事は一部の例外(X染色体)を除いて全く予想されていなかった事である。この成果は当初の計画以上の予想外のものである。
また、当研究室においては核マトリクスに存在する核内ノンコーディングRNAの機能解析も進めているが、これに関しても、ノックアウトマウスの解析を行い、一定の結果を得る事が出来ている。
一方、当初の研究計画の一つとして、核マトリクスタンパク質に対して設計されたsiRNAライブラリーのスクリーニングする予定であったが、上記の課題に割く時間が多く、スクリーニングの条件決定の段階で止まっている。
以上総合的に考えて、おおむね順調に進展しているという自己評価としたい。

Strategy for Future Research Activity

核マトリクスに局在するノンコーディングRNAのノックアウトマウスの表現型の解析は現在材料もそろい、最も確実な研究テーマでもあるため、ある程度の時間を投資しながら進めてゆく。現在、Malat1とNeat1というノンコーディングRNAに関しては、それぞれ通常の飼育条件下においては明らかな異常を示さないものの、ストレスを加えたり、特殊な条件下において明らかな表現型が出る事が分かっている。
また、核マトリクスタンパク質であるhnRNP Uの機能解析に関しては順調に成果が得られているので、継続して解析を進める。特に、hnRNP Uに対する抗体を用いたクロマチン免疫沈降実験でアリル特異的な結合の差が見えているので、今後は、現在までに得られたサンプルを用いて次世代シークエンサーよる解析も進めていく予定である。
核マトリクスタンパク質に対するカスタムsiRNAライブリライーのスクリーニングも、継続して行ってゆく。スクリーニングの条件だしはほぼ完了しているので、今後は、実際のライブラリースクリーニングに着手する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Paraspeckle nuclear bodies--useful uselessness?2012

    • Author(s)
      Nakagawa S, Hirose T
    • Journal Title

      Cell Mol Life Sci

      Volume: 69 Pages: 3027-36

    • DOI

      10.1007/s00018-012-0973-x

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Malat1 is not an essential component of nuclear speckles in mice.2012

    • Author(s)
      Shinichi Nakagawa
    • Journal Title

      RNA

      Volume: 18 Pages: 1487-1499

    • DOI

      10.1261/rna.033217.112

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Alternative 3'-end processing of long noncoding RNA initiates construction of nuclear paraspeckles.2012

    • Author(s)
      Takao Naganuma
    • Journal Title

      EMBO J

      Volume: 193 Pages: 31-39

    • DOI

      10.1038/emboj.2012.251

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Batch regulation of gene expression via nuclear noncoding RNA 4.5SH2013

    • Author(s)
      Shinichi Nakagawa
    • Organizer
      Lorne Genome Conference
    • Place of Presentation
      Lorne, Australia
    • Year and Date
      20130217-20130219
  • [Presentation] 核内構造体パラスペックルの骨格ncRNAであるNEAT1を欠損するマウスは早期に不妊になる2012

    • Author(s)
      中川真一
    • Organizer
      日本RNA学会
    • Place of Presentation
      東北大学百周年記念会館 川内萩ホール
    • Year and Date
      20120718-20120720

URL: 

Published: 2014-07-24  

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